プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」11月9日の2回戦で、最年少Mリーガーの渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が自身3勝目を挙げた。この日、松本は藤田晋監督に多井隆晴(RMU)との出場順を入れ替える自称「オカルト大作戦」を直訴。この「第六感」がズバリと的中し、チームは早くも節目となる10勝に到達した。
対局者は起家からセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)。61歳の前原のみ1回戦からの連投で、26歳の松本とは5度目の「最大年齢差対決」となった。
1回戦で多井が3着となり、EX風林火山に僅差で首位を奪われていた渋谷ABEMAS。しかし松本によると「今日は1人がトップで、もう1人は3着でもいいという計画。1回戦後に戻ってきた多井さんも朗らかな雰囲気でした」と完全に想定内だったという。さらに「これまで僕がトップを取ったのはどちらも2戦目だったので、藤田監督に初めて噛みつきました」とオーダー変更を志願していたこともあり、自らの直感を証明すべく東1局から気合十分の麻雀を披露した。
松本はチンイツと四暗刻の両天秤から、場に切り出された三万を見逃さずに鳴いてタンヤオ・チンイツの跳満確定の手をテンパイ。リーチをかけていた前原から直撃を奪い、早々に1万2000点のリードを築いた。
東2局、東4局でも細かく加点してトップ目を快走していた松本だが、南場は一転して我慢の展開。序盤は沈んでいた最年長の前原が満貫と跳満をツモり、オーラスを迎えるころには1000点差にまで詰め寄られていた。
南4局は前原の親番。松本はリーチ棒を出すと前原に並ばれてしまうこともあり、ヤミテンでのタンヤオを目指して序盤の役なしテンパイを取らず。直後に裏目を引いてしまい苦悶の表情を浮かべたものの、その後はしっかりと形を変化させ、目標としていたタンヤオのテンパイに到達。最終的にラス目の二階堂が跳満をツモアガリして、松本はトップのまま終局となった。
オーラスの裏目の場面について、試合後のインタビューで「センスがなさすぎる」と苦笑しながら振り返った松本。しかし自分が信じた方向性を貫く気持ちのいい麻雀で、見事にチームの首位奪還に貢献した。くしくも、この日は松本がMリーグ初役満を振り込んでしまったパブリックビューイング開催日。「前回はABEMASを見に来てくれたファンの方に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。今日は3人揃って笑顔で報告ができると思います」と爽やかな表情で、名誉挽回の勝利の味を噛み締めていた。
【2回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)3万2000点/+52.0
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)2万8000点/+8.0
3着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)2万4300点/▲15.7
4着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)1万5700点/▲44.3
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【11月9日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +257.7(28/80)
2位 EX風林火山 +201.9(26/80)
3位 U-NEXT Pirates +128.8(28/80)
4位 赤坂ドリブンズ ▲74.7(28/80)
5位 セガサミーフェニックス ▲121.2(28/80)
6位 TEAM雷電 ▲155.0(24/80)
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲237.5(30/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
(C)AbemaTV