亀田3兄弟の三男・亀田和毅(協栄=27)とスペインのアビゲイル・メディナ(30)のWBC世界スーパーバンタム級暫定王座戦(11月12日・後楽園ホール)の調印式が11月10日、都内で行われた。同級2位の和毅は、同級1位の強敵メディナが30分近く遅れて来たことについて「海外ではよくある話。早く来た方じゃないですか」とケロリ。待ちわびた3年ぶりの世界戦、さらには史上初の3兄弟による2階級制覇のかかる一戦にも「普通のノンタイトル戦みたい」と、自信に満ちたコメントが相次いだ。
ようやくつかんだ3年ぶりの世界戦に向けて、日を追うごとに自信がみなぎってきた。世界挑戦のタイミングが長く訪れず、精神的に追い詰められた時期もあったが、ようやくここまで漕ぎ着けた。亀田一家としても久しぶりの日本での世界戦だけに、亀田家一同が「亀田家大復活」を合言葉にしている。対戦相手のメディナは24戦19勝(10KO)3敗2分で、最近5年間は負けなしの強敵だが「絶対にチャンピオンになります。(兄2人は)引退したので、残っているのはおれだけ。その思いを全部背負っている」と、気合も十分だ。
世界のベルトを1度巻いたこと、海外での修行が、大一番を前にした和毅を支えている。試合を2日前に控え、本来であれば緊張感ばかりが表に出るところ、和毅の表情は終始リラックス。メディナが寝坊で調印式に約30分遅刻しても「海外では1時間、2時間は普通なんで、早く来た方ですよ」とほほ笑み混じりで返した。さらに試合へのプレッシャーを聞かれても「(世界)初挑戦の方がプレッシャーありましたね。経験も積んでいるし、1回チャンピオンになっているので。(明後日は)普通のノンタイトル戦ぐらいなもんですよ、ホンマに」と、周囲を囲んだ報道陣から笑いが起きるほどだ。
倒し方にはこだわらない。KO決着でも12ラウンドかかる長丁場でも、どちらにも対応できる準備は整えてきた。「今回いい練習できたんで、その自信があると思いますね。自分でどこかでできるのか楽しみ。今のパンチ力を相手に入れて倒せるのか」と、2日後にリングに上がり、パンチを繰り出す自分の姿を楽しげに想像していた。
協栄ジム・金平桂一郎会長のコメント
我が協栄ジムにとっても、亀田和毅にとっても悲願である世界タイトルマッチです。和毅は2階級制覇がかかっている、意義深い試合です。私からはこの試合で両選手が、ベストのコンディションでリングに上がっていただき、好試合を展開していただくことを期待しています。
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