11月11日から18日まで、バーレーンで開催されるアマチュアMMA世界大会「IMMAF-WMMAA UNIFIED WORLD Championships AMATEUR MMA」に、バンタム級日本代表として関原翔が参戦する。
関原はAbemaTVの格闘リアリティ番組「格闘代理戦争」2ndシーズンにおいて、レギュラーではなかったがファイナル大会のワンマッチに登場し、KRAZY BEEのスソンに勝利。今後が注目される中で、アマチュアで世界と闘う道を選んだ。不敵な面構え、アグレッシブな闘いが身上の関原に、あらためて番組について、そしてこれからの野望を聞いた。
(聞き手・橋本宗洋)
――ワンマッチではありましたが、番組に出たことで反響はありましたか?
関原 練習に行く時に電車で声をかけられたりとか、格闘技の大会を見に行った時に声をかけられたりっていうのはありましたね。そこはだいぶ変わりました。
――スソン戦、試合内容には不満そうでした。
関原 勝った瞬間は嬉しかったんですけど、やっぱり決めきれなくて。実力が出せなかったですね。いきなり決まった試合だったっていうのもありますけど。あの時は咬ませ犬みたいな感じで。
――スソン選手の「相手」という。
関原 だから余計ぶっ飛ばしてやろうって気持ちだったんですけど。調整が足りなかったですかね。いつでもいけるように練習してたつもりではあるんですけど。
――試合は「長南亮推薦」としての出場でした。
関原 そこからTRIBE TOKYO MMA(長南のジム)での練習にも参加させてもらうようになりました。合宿にも出たり。練習範囲が広がりましたね。組み技のスパーで、特に(倒されてから)立つのが自信つきました。
――番組で注目度が上がり、練習環境もよくなったところで、アマチュア世界大会に出場することになりました。
関原 番組出ても出なくてもトップ目指してやってるっていうのは変わらないですね。ただ番組に出たヤツらの中で俺が一番輝いてやるっていう気持ちはあります。
――その道の中で今回があると。
関原 「格闘代理戦争」の試合のすぐ後に全日本オープンに出て、そこからアジア大会の話が来たんですよ。賞金も出るって聞いて「じゃあガイジンぶっ倒してくるか」って思ってたら直前になって試合がなくなって。そしたら世界大会の話がきました。まず1年間はIMMAFの大会で頑張ろうと。
――他の大会との違いは感じますか?
関原 日本のアマチュア大会だとヘッドギア着用とかパウンドなしのルールが多くて。それは歯がゆいんですよね。殴りたいんで。
――IMMAFはルール的にもプロに近いと。
関原 そっちのほうが自分に向いてる気がしますね。
――海外での試合、外国人との対戦はどうですか。
関原 まあ昔は街でガイジンとやってたんで(笑)。初めてじゃないんですよ。
――路上では国際戦があったと(笑)。
関原 だから怖さとかは特にないです。フィジカルの違いはあると思いますけど、気持ちでビビらせてやろうかと。テイクダウンされてもしつこく立って、殴られても殴り返して、一発当ててっていう。そういう試合がしたいですね。
――そういうところはプロっぽいですね。
関原 ここが僕の目標じゃないんで。プロの世界でトップ選手になって、沸かせる選手になりたいですから。今の時点でもぬるい試合はしたくないですね。
――ちなみに、ここから先はどう考えてますか。
関原 やっぱりUFCであったりONEだったり、目指してるのは海外なんですけど。その前に日本でトップ獲りたいですね。そうなった時点で、より強い相手とやれる舞台が見えてくると思うんで。結局、みんなが見たいって思ってくれるファイターになれば、いろんなとこからオファーも来ると思います。
――「格闘代理戦争」では、努力だけは誰にも負けないと言っていましたね。
関原 そこに関しては日本一って断言できるくらいですね。毎日「昨日の自分に勝つ」っていう気持ちでやってます。その分、ハードルも上がりますけど。強くなれてると思いますね。まだ格闘技を初めて1年ちょいでも、ここまで強くなれるんだって。
――練習では、どんなことを自分に課してるんですか。
関原 まず朝4時に起きるところからですよね。毎日、終電で帰る眠いんですけど、いくら眠くても、雨が降ってても走る。そういうとこからですね。自分にも睡魔にも負けないっていう。で、朝の練習が終わったら仕事行って、夜また終電まで練習して。
――そうやって妥協しないことで自信もつくでしょうし。
関原 自分を信じてあげられるようになるためにも大事なんですよね。不安だから練習するんで。「昨日までの俺じゃ勝てないんだ」って。
――そして、ここまで自分に勝ってきていると。
関原 毎日、練習では自分に勝ってきてるんで。今回は試合でもしっかり自分を出したいですね。練習にしても、こういう海外で試合をすることもそうなんですけど、恵まれた環境にいるなと思うんですよ。俺はセンスで勝つようなタイプじゃないし、仕事もあるし、努力して、工夫してやらないと。
――蹴り技は独特のスタイルですけど、あれも努力とか工夫で?
関原 そうです。ジムから家まで遠いんで、電車の中でいろいろ考えてますね。そういうところも努力です。