11月12日にWBC世界スーパーバンタム級暫定王座戦で勝利し、2階級制覇を果たした亀田3兄弟の三男・亀田和毅（協栄＝27）が11月18日、AbemaTVの特番でアビゲイル・メディナ（スペイン＝30）との激戦を振り返り「亀田家にもう一度ベルトが戻ってきてよかったです」と勝利の味をかみ締めた。また次の試合になると予想される正規王者のレイ・バルガス（27＝メキシコ）戦について「アマチュアで負けているので」と、雪辱に燃える思いを語った。
自身3年2カ月ぶりとなった世界タイトル戦は、持ち前のスピードに加え、パワーもつけた和毅が1ラウンドから圧倒。中盤以降、メディナの地力に手こずる場面もあったが、終始スピード、手数で勝り、フルの12ラウンドながら快勝と言える判定勝ちだった。和毅は「内容は全然ダメ。まだまだ全然できていないというのが、次の課題」と厳しく自己採点したが、史上初となる3兄弟による2階級制覇、さらには3年以上も世界タイトル戦の機会がなかったことを思い出し「ベルト取れましたから。負けていたら次はなかったんで、次につなげられました」と安堵の表情を浮かべた。
試合中にはセコンドについた長男・興毅、次男・大毅の声以上に、父・史郎の声がはっきりと聞こえていたという。試合後には育ててくれた感謝の思いを語り涙ぐんだが、この日は「（父の声は）毎試合聞こえています。セコンドぐらいすごいんですよ。『和毅、強いんやから』とか言われて」と、聖地・後楽園ホールの大歓声の中でも際立って通る父の声に、思い出し笑いをしていた。一方で、勝利後のリングでは、シルセ夫人と人目もはばからずキス。興毅が「日本人は人前でっていうのはね。でも和毅は海外が長いから」と、やや照れくさそうに話すと、当の和毅は「普通ですよ」とあっけらかんと答えていた。
今後は暫定王者として、正規王者のバルガスとの王座統一戦が第一目標となる。その先には他の3団体王者とのタイトル戦、さらに先には1階級下のバンタム級で世界を席巻しているWBA世界バンタム級王者・井上尚弥と戦う夢のプランも囁かれるが「4団体のチャンピオンはみんな強いですが、自分が勝てるとは思う。井上選手は階級が違うんですが上がってきてタイミングが合って実現したら面白い」と語った。これには興毅も「何年か先にタイミングが合えば」と言葉を選んでいた。
3兄弟唯一の現役選手として亀田家の期待を一身に背負い、見事にベルトを持って帰った三男・和毅。これで亀田家のベルトは7本を数えた。史郎が「ベルトを巻いたから、もっともっと強くなる」と言えば、大毅も「まだパワーをつけている最中だから、まだ強くなる」とさらなる伸びしろについて言及した。3兄弟の中でも、最もボクシングセンスがあると言われ続けている和毅。今後、どれだけの世界のベルトを取って「亀田家コレクション」を増やせるかは、頼れる三男の拳にかかっている。
（C）AbemaTV
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