修斗世界バンタム級王者・佐藤将光が2度目のタイトル防衛を果たした。11月17日の後楽園ホール大会、挑戦者は自ら指名した齋藤曜だ。

さまざまな団体でキャリアを積み、昨年10月に30歳で修斗の頂点に立った佐藤。しかし今年1月、チャンピオンとしての初戦で齋藤に完敗を喫してしまう。ノンタイトル戦だったためベルトは失わなかったが、大きな汚点を残すことに。
その後、外国人選手相手に初防衛を果たした佐藤は齋藤を挑戦者に逆指名。ベルトをかけてのリベンジ戦だ。齋藤は33歳にして修斗王座初挑戦。代名詞ともなっているギロチンチョークを得意技とし、佐藤と同じく他団体でもキャリアを重ねながらチャンスを狙ってきた。
打撃を得意とする佐藤が最も警戒すべきは齋藤のグラウンドだと思われた。しかし佐藤は1ラウンドからアグレッシブにバックキックを放っていく。蹴り足をキャッチされても冷静に対処。齋藤の組み技を落ち着いてディフェンスしながら、わき腹や肩甲骨の下あたりにヒジを打ち込んでいく。
2ラウンドには仰向けで抑え込まれながらも相手の動きを制してやはりヒジ。下からでも的確にダメージを与えていると分かる攻撃だった。逆に齋藤は、組み技という面では主導権を握っているのだが攻め切れない印象。それだけ佐藤の「全局面・全方位エルボー」が効果的だった。
3ラウンドには佐藤優勢の展開に。グラウンドに引き込んできた齋藤の動きを潰すとバックを奪い、パンチを連打。世界戦は5ラウンド制の長丁場のため、さらに試合が続く。4ラウンドになると打撃で圧力をかけた佐藤がタックルも切ってグラウンドで上に。
齋藤のギロチンも防ぐと、肩固めを仕掛けにいった佐藤。マウントポジションからもヒジを叩き込むと、最後はガッチリ固められて動けない齋藤にフルスイングのパンチを連打してレフェリーストップとなった。
完勝であり、圧巻のリベンジ。チャンピオンシップ・ラウンドである4ラウンドにフィニッシュしたことも含め「王者としての強さ」を見せつけた佐藤は「これで文句ないでしょ。文句あるヤツはかかってこい」と胸を張った。
佐藤は12月に自身のジムを設立。人生の節目を控えての一戦でもあっただけに、この勝利は大きい。その迫力ある闘いぶりは、これからさらに評価を高めていくはずだ。

