プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」11月22日の2回戦で、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)が自身5勝目、チームとしての12勝目を挙げた。1回戦でのラスをものともせず、ここまでのMリーグで最長となる6戦連続での出場を4勝2着1回という驚異的な戦績で乗り切ってみせた。
2回戦の対局者は起家から赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)。佐々木以外の3人が1回戦からの連投となった。
開幕直後から11月15日の1回戦まで1カ月以上も勝利から見放され、200ポイント以上のマイナスに落ち込んでいた鈴木だったが、2勝目を挙げてからは目覚ましい活躍を披露。ここ1週間の赤坂ドリブンズの試合すべてに出場し、4戦3勝の好成績でマイナスを一気に完済していた。この日はチームメイトの園田賢(最高位戦)と村上淳(最高位戦)が出場中の「第43期最高位決定戦」が佳境を迎えているため、Mリーグでは異例の“6連投”に挑戦。1回戦ではラスを引いてしまったものの、復活を遂げた“ゼウス”が動じることはなかった。
東1局では佐々木とのリーチ対決に破れ、七対子の放銃で始まった鈴木だったが「オリるよりはマシだろうと。3200点で救われました」と、あくまでも前向きな姿勢は崩さない。東3局では親の佐々木のリーチ、さらに茅森のリーチで圧力がかかる中、自身も東をポンしてホンイツ・対々和の満貫手をテンパイ。すると佐々木からアガリ牌がこぼれ、8000点(供託2000点)でトップ目に立った。
その後は南2局に茅森の満貫、さらに南3局には親の佐々木の満貫が飛び出し、トップ目と点棒が目まぐるしく動き回る大混戦になったものの、鈴木は虎視眈々と2着をキープして再浮上を狙っていた。すると南3局1本場で、自風の西を暗刻にしてわずか3巡目でリーチ。これを一発でツモり、他家に何もさせないままリーチ・一発・ツモ・西の8000点(+300点)で再度トップ目に浮上した。この超速のアガリには“最速最強”の異名で知られる解説の渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)も「速すぎるでしょ。いやあ、まいったね」と脱帽するほかなかった。
オーラスでは「他の人のアガリでトップを」というイメージ通り、しっかりとオリて試合を締めくくった鈴木。6連投中のトップは驚異の4回目となり、もはやおなじみの光景となった試合後のインタビューでは、ニッコリと笑みを浮かべながら「一時期に比べたらなんて幸せなんだろう」と充実感を漂わせた。
鈴木は11月15日から22日にかけての1週間で223.4ポイントを獲得し、5位だった赤坂ドリブンズも首位と僅差の2位までジャンプアップ。まさに全知全能、手が付けられない“スーパーゼウス”状態が続いている。この日の結果により、首位のEX風林火山から最下位のKONAMI麻雀格闘倶楽部までの差がグッと縮まり、ますます混戦模様となってきたMリーグ。それでも鈴木は順位争いについて「忘れてました。まだ意識する段階ではないかな」とあくまでも自然体を強調していた。完全に復調を遂げたゼウスの伸び伸びとした麻雀が、今後もファンを大いに楽しませてくれそうだ。
【2回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)3万5600点/+55.6
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)2万7700点/+7.7
3着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)1万9800点/▲20.2
4着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)1万6900点/▲43.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【11月22日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +186.9(36/80)
2位 赤坂ドリブンズ +145.6(36/80)
3位 渋谷ABEMAS +93.2(34/80)
4位 セガサミーフェニックス ▲7.0(34/80)
5位 U-NEXT Pirates ▲73.3(38/80)
6位 TEAM雷電 ▲140.2(32/80)
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲205.2(38/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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