
テレビ朝日系にて放送中の土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』が、SNSを中心に話題を集めている。旬平(萩原聖人)と穏やかに暮らす専業主婦・通子(木村佳乃)のもとに、「ご主人をいただきにまいりました」と離婚届を手に、夫の愛人を名乗る多衣(水野美紀)が突如登場するところから始まった愛憎劇は、「夜の昼ドラ!」との評判も渦巻き、目が離せない。
本ドラマにて、父親の跡を継いで旬平が板長を務める料亭『花ずみ』で、板前として働く矢場俊介を演じているのが青柳翔。現在のところ、大きくドロドロ劇に関わってはいないのだが、後半、怒涛の展開になだれ込む際のキーパーソンとして暗躍するという。
そんな矢場を中心としたスピンオフドラマが12月1日よりAbemaTVで配信されることが決定。青柳に『あなたには渡さない』シリーズの魅力について、心ゆくまで語ってもらった。
刺激が強すぎて寝られなくなる!?「とにかくインパクトがでかい作品」

ドラマ『あなたには渡さない』場面写真
――すでに放送されている『あなたには渡さない』、御覧になっていかがですか?
青柳: 「ドロドロファンタジー」と言う人がいますけど、まさにファンタジーだなと思いました(笑)。鮮烈な台詞がたくさんあって、それに視聴者の皆さんが衝撃を受けてくださったり、笑ったり、もしかして共感してくれる人もいるかもしれないし…。とにかくインパクトが大きい作品なので、疲れて帰ってきた23時15分から見て…刺激でもう寝られなくなるんじゃないかな、と思います(笑)。
――青柳さん演じる矢場は板前という役どころです。実際に何か練習はしましたか?
青柳: 普段、料理はしないんですけど、作ったりしましたね。アプリを見て、ミネストローネを作ったり…ちゃんと上にローリエを乗せてね。和食だと、肉じゃがも作りました。レシピ通り作れば、うまくできるものなんですね。俺、板前役ですけど、まだ修行中の身なのであまり包丁を握れなくて…出汁ばかり見ているんですよ(笑)。萩原さんに、「お前、また出汁か」、「出汁俳優」とも言われています(笑)。
――とても仲良しなんですね。ほかに、萩原さんとどのようなお話をされますか?
青柳: 萩原さんは、(麻雀の)大会をやられているので、試合のことだったり、Mリーグのことだったり、「観ましたよ」とか話していました。以前、負けたときに、「なんか縁担ぐもの、ないかな?」と聞かれたりもして。
――担ぐもの、何かありました?
青柳: 以前、出雲で仕事をしたときにお塩をいただいたんです。ずっととってあったんですけど、「これ、もしかしたら“良い”っていう話ですよ」と萩原さんに渡したりしました。…お塩を渡した次の日、萩原さん、確か3位でしたね。俺の想いは実らなかった…(笑)。
間近で見て圧倒された木村佳乃と萩原聖人の演技

――「40代の恋愛ドラマ」というのもひとつテーマです。青柳さんご自身は、どう思われますか?
青柳: そうですね…。自分の尊敬している人を好きになるとか、人のことを奪うとか、正直わからないです。結婚もしていないですしね。当事者だと怒っちゃいそうですけど、観ている分には楽しいです。
――怒っちゃいそうですか?
青柳: はい。もうローリエの葉を茎ごと投げますよ(笑)。
――(笑)。女同士の戦いを見て「どっちが怖いな」という本音はありますか?
青柳: …(悩)。どちらかと言うと、通子さんは巻き込まれ型じゃないですか?1回巻き込まれて、それでも頑張るというか。だから多衣さんのほうがしたたかなのかな。いや、どっちもしたたかですよね?
――青柳さんご自身は、そうした執念に似た気持ちは全然持っていないタイプです?
青柳:いや、どうなんだろう。人を「突き落としてやろう」とかいう気持ちですよね?毎日思っていますよ。
……嘘です(笑)。そんなに持っていないかもしれないですね。男同士の喧嘩って何なんだろうな…。僕、我慢しちゃうから。相手にとってみたら、それもムカつくんでしょうけど。
――通子さんVS多衣さん=木村さんVS水野さん演技バトルを御覧になっての感想も聞きたいです。
青柳: 木村さんと水野さんの演技力は本当にすごくて、言葉のインパクトに負けないお芝居をされていらっしゃるな、と思います。思い切っていけるのが、本当に素晴らしいなと。基本的には映像で観ているんですが、旬平さんと通子さんのやり取りは生で見ていて…もう、迫力がありました。
――こうして先輩方に囲まれて、最年少的な立場は久しぶりかもしれません。刺激を受けたりもしますか?
青柳: 今回、俺は木村さんと萩原さんとのシーンが多いんです。木村さんはすごく頭も切れますし、どこか天然っぽいところもあって、すごくかわいらしい方なんです。俺が言うのも失礼なんですけど、「野生の勘が働く人」というようなイメージもあって。萩原さんは、すごく頭の回転が速い人なんです。だから、野生の勘が働く人と、知性の塊みたいな人に囲まれて、俺、なんか…緊張するんですよね(笑)。この人たちには嘘つけないな…すぐバレるなって思うから、正直に何でもしゃべっています(笑)。
本編と異なるテイストのスピンオフ 「平行して一緒に見るとより楽しめる」

――さらに今回、矢場に焦点を当てたスピンオフドラマが展開されるとのことで、おめでとうございます。
青柳: ありがとうございます。台本を読んだら、本編とは全然違うテイストだったので、撮影をすごく楽しみにしていました。
――スピンオフのために、とっておきの準備はしましたか?
青柳: インする前に、「もしかしたら脱ぐかもしれない」と言われていて。それまで…ちょっと申し訳ないんですけど…筋トレをしていなくて…。自分でも、「ああ、だらしないなあ」と思っていたんですね。そんなとき木村さんから、僕の役名が矢場なので「名古屋に“矢場とん”あるじゃん。差し入れ、矢場とんがいい!」と言われて、家に帰って、自分はいろいろな意味で「ヤバとんだな」って…(笑)。
――青柳さん、渾身のギャグです。
青柳: 最後のほうには、とん(豚)じゃなくて鳥になれるように頑張りたいと思っています(笑)。今は、ちょっと体を絞ったりしているんですけど。
――実際、脱いでいるんですか?
青柳:脱ぎましたよ。まだあるので、もうあれです。全部ペンで腹筋とかを書きますよ(笑)。

――そこも見どころですね。そのほか、注目のポイントがあれば教えてください。
青柳: スピンオフの第1話では、なぜか矢場の元カノが花ずみに乗り込んできます。本編で「なぜこんなことが起きているのか」ということが、スピンオフでややわかるようになっています。本編と平行して一緒にご覧いただけると、より楽しめるんじゃないかなと思っています。
――最後に。『あなたには渡さない』は土曜ナイトドラマで放送されていますが、これまでの枠のイメージや作品の印象なども伺えますか?
青柳: 『おっさんずラブ』って、この枠ですよね?すごく人気でしたよね。(第3話・4話の)監督(Yuki Saitoさん)と、以前映画『Our Birthday』でご一緒したのもあって、観ていたんです。Saito監督とは、家族ぐるみで仲よくさせてもらっていて、この前、監督のお子さんが誕生日だったので、こっそり「何が好きなんですか?」と聞いて、好きなキャラクターものをプレゼントしましたよ。はは。
――ちなみに『おっさんずラブ』のような作品にも興味はあります?
青柳: そうですね、出たいです。お話がいただけるのであれば、何でも出たいです!


土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』は毎週土曜よる11時15分よりテレビ朝日系列地上波にて放送。なお、本ドラマはAbemaTVでも地上波放送後毎週月曜よる11時に放送予定。なお、オリジナルスピンオフドラマは12月1日(土)24時15分よりAbemaビデオにて独占配信。
取材・文:赤山恭子
撮影: You Ishii
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