プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」11月30日の1回戦で、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)が自身4勝目を挙げた。ドラが続々と寄ってくる“セレブなツモ”はこの日も健在。チーム・個人ともに絶好調を維持し、11月を終えた時点の個人スコアで3位に浮上した。
対局者は起家から赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)、EX風林火山・勝又健志(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)。レギュラーシーズンの試合開催日、計70日間のうち、後半戦の初日となる36日目。EX風林火山と赤坂ドリブンズの首位攻防戦に、ここ最近絶好調のTEAM雷電、そして浮上のきっかけを掴みたい最下位・KONAMI麻雀格闘倶楽部がどう割り込んでいくのかが注目された。
男性プロ3人に混ざっても、黒沢は自分の麻雀をまったく曲げなかった。仕掛けを多用することなく、じっくりと最高形のアガリを追求。そんな黒沢の姿勢に呼応するかのように、ドラが続々と寄ってくるセレブなツモが続いた。
東1局からドラが4枚というゴージャスな配牌でスタート。アガリこそならなかったものの、この豪運に「さすがセレブ」「さっそくセレブ配牌」と視聴者はおおいに沸いた。21人のMリーガーの中でも、配牌だけでここまで視聴者を盛り上げることができるのは黒沢くらいだろう。
続く東1局1本場では、ポンができる状態で河に出た1枚目の白には目もくれず、自力で暗刻にするセレブ打法を披露。黒沢にしてみれば「いつも通りです」という圧倒的な指運を見せつけ、白・中・赤・ドラ2の8000点(+300点、供託1000点)をツモアガリしてトップ目に立った。
この日の黒沢は守備でも魅せた。東3局での村上の七対子・西待ちのリーチに対して「村上さんは七対子気配。西は本線だったので切れない」と完璧に読み切り、流局まで西の対子をがっちりとキープ。対子落としに逃げずに放銃を回避したことが、結果的にトップ獲得につながった。
白眉は南2局2本場だ。僅差の3着目だった黒沢は、ドラ3枚含みの七対子を狙う手牌。トップ目の村上から3筒待ちの先制リーチがかかる中、止めていた3筒を対子で重ねて手の中に組み込むファインプレー。すると終局間際、黒沢の七対子に村上が放銃し、七対子・赤・ドラ2の8000点(+600点、供託2000点)でトップを奪還した。
トップ目の南3局では役牌を鳴いて白・赤の2000点(供託1000点)でアガるという冷静さも見せ、自身4勝目、チーム10勝目となる節目のトップを獲得した黒沢。男性プロの強豪3人相手の大激戦とあって、試合後のインタビューでは「先制した後にかなり荒れ場になって、本当に最後まで気の抜けない一戦でした。疲れました」と疲労感をにじませながらも、大好きな食べものの話題になると「今日は萩原さんがめちゃくちゃ美味しいチーズケーキを持ってきてくれたんです」と満面の笑みを浮かべていた。
この日の2回戦でも瀬戸熊直樹(連盟)が2着に入り、ここ14戦ラスなしと絶好調のTEAM雷電。個人スコアでも瀬戸熊が2位、黒沢が3位と、今最も勢いのあるチームになっている。苦戦が続いていた萩原聖人(連盟)も復調気配で、後半戦の台風の目になるポテンシャルは充分だ。11月30日にはさまざまな特典が受けられるファンクラブ組織「オフィシャルサポーター」の発足も発表され、ますます盛り上がりを見せるMリーグ。黒沢のセレブなプレーに魅了され、TEAM雷電のサポーターも一気に増えたに違いない。
【1回戦結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)3万2500点/+52.5
2着 EX風林火山・勝又健志(連盟)2万8200点/+8.2
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)2万2900点/▲17.1
4着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)1万6400点/▲43.6
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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