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 先月29日、カルロス・ゴーン容疑者の逮捕後初めての3社協議が開かれ、今後も提携を維持していくことを確認した。

 また、日本時間の30日深夜には、フランス側の強い要望により、G20首脳会談の合間を縫う形で安倍総理とフランスのマクロン大統領と会談を行った。この場でマクロン大統領はルノーと日産の連携が安定的に続くことの重要性を強く訴え、ルノー主導の連携を維持したい考えを示したという。

 これに対し安倍総理は「連携のあり方は民間の当事者が決めるべきもので政府が関与するものではない」との姿勢を示し、世耕経産大臣も「我々は株主でもない。そういう意味で、私は個社のことには人事、ガバナンスを含めて政府は口を出すべきではないと考えている」と、民間企業には介入しない姿勢を強調している。

■舛添氏「言ってみれば日本人は下手くそ」

 1日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した舛添要一・前東京都知事は「フランスという国は"社会主義"だ。自由な国ではあるが、アメリカよりも中国に似ていると思えばいい。そこまで国家が入ってくるし、非常に官尊民卑な国だ。だから最初に社会主義をやったのはマルクスではなくフランスだといってもいいと思う。たとえば鉄道は国鉄のままだし、エールフランスなど、多くの会社の株主に政府が入っている。実は、はとバスの筆頭株主は東京都だ。そういう点では非常に東京都に似ていると思う。今、マクロン大統領には人気がないし、これで失業者が増えればもっとダメになる。日産が引き上げるとなれば政権にとって命取りになるので、そのためにも安倍さんには"表向き仲良くやってもらいましょうね、とにかく会社同士の握手は止めないでくれ"という話をしたのではないか」と話す。

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 その上で舛添氏は「提携関係は維持していいと思うが、株の比率を変えないといけない。日産株を43%持っているルノーが"西川さん、CEOになっていいよ"と言うだろうか。"トップはうちから出すよ"言うだろう。逆に日産はルノー株を15%持っている。25%以上保有することになれば、お互いに議決権がなくなるという制度があるので、日産がルノー株を10%分買い足すか、ルノーが減らすかだ。日本の企業にも政府のいろいろな影響があるが、世耕大臣はああいうことを言った。非常にずる賢いフランス人に比べて、言ってみれば日本人は下手くそ」と話した。

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 経済ジャーナリストの井上久男氏は「日産に逃げられると困るので身構えているフランス政府に対し、日本政府の発言は優等生的だ。民間企業に政府は介入しないというのが原則ではあるが、自国ご都合主義の指導者がこれだけ多い中、それでいいのかなとも思う。特に自動車産業は雇用や税収にも影響してくるので、向こうに持っていかれていいのかという問題もある」と話した。

■井上久男氏「日産の中にものすごい不満のガスが充満していた」

 一方、ルノーが求めていた後任会長の指名を拒否し、ルノーによる支配体制を見直したい意向の日産。西川廣人社長は従業員向け説明会で「43%の株を持っているルノーのトップが日産のトップを兼務する形。そこは徹底して除去していくべき」「過去の意思決定の中で日本を軽視されてきたのではないかと。それは否定しない。非常に意思決定の隔たりがあった」と述べたという。

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 しかしフランスでは、「西川社長は明智光秀か?」(ル・モンド)、「西川社長はゴーン氏を失墜させたブルータス」(経済紙レゼコー)と報じられるなど、今回の逮捕劇を"ゴーン体制に対するクーデター"との見方もでている。

 井上氏は「日産の中にものすごい不満のガスが充満していた。ゴーン容疑者の息のかかった人がフランスから来て、3年くらい遊んで帰っていく。そんな物見遊山でやってきた、役員ではない幹部2、3人の福利厚生に役員待遇並み5~6千万円くらいのコストがかかっていた。一方で毎年、切らなくてもいいような人にまで"辞めてくれ"と言ってきた。1999年から2005、2006年くらいの間、そういうやり方をやることによってV字回復していったことも確かなので、功罪の"功"の部分はある。ただ、ある程度力がついてからも日本人の首を切って利益を出し、配当しようとしていた。はっきり言えばゴーン容疑者が邪魔になったんだと思う。そんな時に内部告発があった。ただ、あくまでも刑事的な責任が問われているのは虚偽記載の問題。公私混同していたという報道がたくさん出ているが、これは道義的な責任の範疇だ。そこをごちゃ混ぜにして報じている」と指摘した。

■ホリエモンの元弁護人「情報提供をした人たちも覚悟はしているだろう」

 また、ライブドア事件の公判で堀江貴文氏の弁護人を務めた高井康行弁護士は「フランスがやり過ぎたということだ。元々日産にいて、日産を愛している人が怒り出した。だからゴーンさんは私物化なんて一切せず、かつての土光敏夫さんのようにメザシを食べ、清廉潔白な姿勢で日産の従業員の首を切れば良かった。ただ、企業間の争いのために検察が動いたということはありえない。特捜部が扱うのは大きな事件が多いので、結果として社会に影響を与えるということは往々にしてある。当然、検事も影響が出ることは分かっているし、日産に有利になる可能性のあることも分かってはいると思う。それでも東京地検特捜部が"社会を変えてやる"、"日産を有利にしてやる"というような目的を持って捜査をすることはない」と話す。

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 さらに高井弁護士は現経営の責任問題について「西川社長がどこまで関与していたのかははっきりしていないし、仮に関与していたとしても、司法取引の一環で責任は問わないということになっている可能性も十分にある」との見方を示し、「今までこういうことが起きると、マスコミを含む皆さんが"トカゲの尻尾切りだ"と検察を批判してきた。だから司法取引を導入して、"トカゲの頭を切れる"制度にした。今回の事件はその趣旨がそのまま出ていると思う。もちろん頭を切った後の胴体=日産が生き残れるのかという問題は残るし、司法取引で免責されるのはあくまでも刑事責任だし、場合によっては民事責任が追及される場合もある。情報提供をした人たちも、"肉を切らせて骨を断つ"ということで、自分たちに火の粉が降りかかってくることも覚悟の上だと思う」と話した。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


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