声優の緒方恵美(「新世紀エヴァンゲリオン」碇シンジ役や「幽☆遊☆白書」蔵馬役など)が、役と自分を重ね合わせることの難しさを語った。とくに1クールで放送されるアニメは、「役が自分の中に落ちるところまでやるのは大変」と指摘した。
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12月10日に生放送されたAbemaTV「声優と夜あそび」に、放送中のアニメ「SSSS.GRIDMAN」新条アカネ役で人気を集める声優の上田麗奈がゲスト出演した。「今まで演じた中で忘れられない役」をたずねられた上田は、2015年に公開された劇場版アニメ「ハーモニー」の御冷ミァハ役を挙げた。ミァハが持つカリスマ性にばかり目が向いているうちは演技に苦戦していたが、孤独を求める内面を意識して演じるようにしたら上手くいったことを振り返った。
上田の発言を受けて、緒方は、「新人の頃は、(役の)ガワにとらわれちゃうというか。たとえばお姫様を演じるのだったら、『お姫様とは、こうあるもの』みたいな。本当はお姫様の中でもいろんな性格の人がいるはずなのに、お姫様のガワというものに集中してしまう」と指摘。「そこのスイッチが変わって、お姫様の中のことに焦点が当たったということだね」と続けると、上田も「そうです」と頷いた。
また、上田は、2014年放送のアニメ「ハナヤマタ」で初主演を務めたとき、座長ということを意識するあまり空回ってしまった部分もあったことを明かした。放送も後半になってようやく肩の力が抜けて芝居に集中できるようになったそうで、上田は、「ほろ苦い思い出がある作品」と苦笑いした。
緒方は、「昔のアニメって長い作品が多くて、私なんか『幽☆遊☆白書』で2年3カ月くらい同じ役をやったけど、1クールが終わるくらいにやっと役が自分と完全にフィックスするところがある。今は1クール作品が多いけど、その間に(役が自分の中に)落ちるところまでやるのは大変だよね」と上田の苦労に理解を示して、「だから後半で気づいてフィックスしたなら、それはそれですごいことではないか」と上田を励ました。
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