将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(16)が12月12日、史上最年少の16歳4カ月で通算100勝を達成した。通算成績を118局で100勝18敗とし、勝率も.847という圧倒的な数字で新たな記録を樹立した。従来の記録は、羽生善治竜王(48)の持つ17歳6カ月だった。
藤井七段は2016年10月1日に史上最年少の14歳2カ月で四段昇段を果たしプロ入り。同年12月24日に加藤一二三九段とのデビュー戦に勝利すると、そのまま史上最多となる29連勝を達成した。その後も8割を超える高い勝率をキープすると、今年2月1日には五段に昇段。16日後には朝日杯将棋オープン戦で羽生善治竜王、広瀬章人八段らトップ棋士を破り、一般棋戦最年少優勝を果たすと同時に六段昇段も果たした。さらに今年5月には「竜王ランキング戦連続昇級」の昇段規定を満たして、これも最年少の15歳9カ月で七段に昇段した。
直近では10月に新人王戦で優勝し、タイトルホルダーとも公式戦、非公式戦で互角の勝負を繰り広げていることから、最年少でのタイトル獲得への期待も高まっている。会見で藤井七段は「公式戦で通算100勝を達成することができ、これまでの一局一局の積み重ねが100勝というひとつの区切りに達したことを感慨深く思っています」とコメントした。
◆関係者のコメント
日本将棋連盟会長・佐藤康光九段 この度は通算100勝達成、誠におめでとうございます。まだまだ最初の通過点ですが、その中で数々の記録・実績・昇段を積み重ねられたことに改めて驚きを禁じ得ません。これから益々のご活躍を祈念いたします。
羽生善治竜王 16歳での100勝の達成は空前絶後の大記録だと思います。棋士としての一里塚を通過して更なる前進を期待したいと思います。
中原誠十六世名人 100勝の記録は当時はあまり話題にならなかったし、私も意識はしませんでした。藤井七段にとっては通過点と思いますし、これからの活躍を期待しています。
杉本昌隆七段 おめでとうございます。プロデビューからわずか2年での100勝達成は私にも大きな喜びです。周囲の期待通りに結果を出し続ける藤井七段の精神力には感心するばかりです。次の記録更新は何になるのか、師匠として今後も楽しみにしています。
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