那須川天心vsフロイド・メイウェザーJrのボクシング・エキシビションマッチが話題になっているRIZINの大晦日大会だが、他にも注目カード、注目選手は数多い。昨年までは12月29日、31日と2大会開催、加えて有力RIZINファイターが増えていることもあって、そもそもマッチメイクの枠が飽和状態だ。

(多くを語らなかった北岡と、しっかりコメントはしたものの北岡と目を合わせなかった川尻。会見から凄まじい緊張感に)
そこで主催者は、大晦日の午前中(9時開始、12時終了予定)に追加大会を開催することに。チケットは全席5000円。大晦日RIZINの第1部という位置づけとなる。
大会名は「平成最後のやれんのか!」。PRIDEが活動休止となった2007年の大晦日に開催された「やれんのか!大晦日!2007」のネーミングを受け継いだものだ。
12月10日の記者会見では、メインイベントを含む4カードが発表に。メインで行なわれるのはライト級マッチ、川尻達也vs北岡悟だ。
川尻は1978年生まれの40歳、北岡は1980年生まれで38歳。同時代を生きた選手同士の初対決は、格闘技を長く見続けてきたファンにはたまらないものがある。
川尻は修斗、PRIDE、DREAM、そしてUFCを経てRIZINへ。常に最前線で闘い、ファンはその勝ち負けに思いを込めてきた。対する北岡はパンクラスでデビューし戦極でチャンピオンに。DREAM、RIZINに参戦しつつ、DEEP王者としてイベントを支えてきた存在でもある。北岡もまた、MMA最前線で体を張り、生き抜いてきた。
K-1、PRIDEの格闘技ブーム。日本からブームが去り、総合格闘技(MMA)の“首都”がアメリカとなって、そのしばらく後に日本にRIZINという新たな熱源が生まれた。川尻も北岡も時代の変化をまともに食らった世代だ。ただ変遷の中でも打算が感じられない生き方と闘い方を貫いてきたから、こうして平成最後の大晦日にも舞台が用意されることになったのだろう。
2人ともここ数戦、戦績がよくないのは事実。北岡はDEEPのベルトを奪われてもいる。だから「今の自分に発言権はない。ですがこの場に必要とされて“やれんのか!”と問われたら“やります”と答えます」というコメントになった。そして他には多くを語らず。すべてにおいて重い試合だからこそ語れないし語りたくない、そういう思いだろうか。

(「やれんのか!」では渡辺華奈vs杉山しずかの女子マッチも決定。昨年大晦日の再戦で、プロ無敗の渡辺に杉山がリベンジを狙う)
一方、川尻は「やれんのかって、やるに決まってるでしょ」と、2007年と同じ意気込みを第一声とした。
「格闘技を初めて20年。必死に駆け抜けて、悔しい思いもして。同じ時代を同じように生きてきた北岡悟は特別な存在で、誰よりも敬意を持っているからこそ誰よりも潰したい」
自身の現状についても、冷静に受け止めている。
「若くていい選手が出てきてますけど、僕にもまだやりたいこと、見せたいこと、伝えたいことがある。僕たちが生き抜いてきた時代を、この試合で感じてほしいです」

(内田雄大vs小西拓槙(キックルール)、ムン・ジェフンvs朝倉海も決定。大会は全6~7試合になる模様だ)
15時からの「RIZIN.14」の1カードではなく、「やれんのか!」のメインにしたのは、主催者もこの激突を重く捉えているからこそだ。重要なのは、単なる“ベテラン対決”というだけでなく、これが来年のライト級GPに向けたサバイバルマッチでもあるということ。過去を背負った2人だが、今を生きる、未来に進むために闘うのだ。だから余計に、この試合は重い。
文・橋本宗洋
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