"ひらがなけやき"ことけやき坂46が13日、東京・日本武道館にて初のクリスマスライブ『ひらがなくりすます2018』の最終公演を行った。
『ひらがなくりすます2018』は11~13日の3日間にわたり開催され、述べ3万人を動員。ライブではメンバーの衣装や演出など随所にクリスマスらしいエッセンスが盛り込まれ、メンバーはファンと共にちょっと早いクリスマス気分を楽しんだ。
ライブの幕開けを告げる『OVERTURE』が鳴り止むと、大型ビジョンには柿崎芽実がクリスマスに何かを期待する女の子の気持ちを表現したり、ベッドに寝転んだりなどの演技を繰り広げるオープニングムービーが流れる。すると天井から巨大なプレゼント箱がステージへと降りてきて、蓋が開くと次々とメンバーが登場。そしてステージにはベッドに眠る柿崎の姿も。メンバーが柿崎を起こし舞台に19人が揃うと、加藤史帆の『ひらがなくりすます、いくよー!」という掛け声からライブがスタート。『ハッピーオーラ』『ひらがなけやき』を連投して、序盤から客席を盛り上げた。
パレード風のサウンドに乗せてメンバーそれぞれがパフォーマンス力を競う『ダンスコンテスト』のコーナーを経て、次に披露されたのは『僕たちは付き合っている』。オープニングのブロックが終わり最初のMCコーナーへ突入すると、キャプテンの佐々木久美が「今日はちょっと早めのクリスマスライブなんですけど、素敵な思い出を作りましょうね!」とファンに呼びかける。続けて齊藤京子が「1日目と2日目は皆さんのお陰ですごく盛り上がって私たちも楽しかったんです。けど、3日目の皆さんはもっと盛り上がってくれるって聞いたんです。皆さん、盛り上がってくれますか?」と呼びかけると、観客は大きな声援でこれに応えていた。
それから佐々木久美が「今年最後のライブなんですよ。でも、東村芽依が2018年のライブでやり残したことがあるって言ってるんです」と突如、東村にトークを振る。バトンを受け取った東村は「いつも久美がMCをやってるけど、芽依もMCをまわしてみたい」と志願した。会場が大歓声に包まれる中、東村はクリスマスにまつわる質問を高瀬愛奈と宮田愛萌に投げかける。クリスマスの思い出について聞かれた宮田は「去年は、2期生でクリスマスパーティーができたので、すごい思い出に残っていて。今年は2期生だけじゃなくて1期さんたちとひらがなみんなでやりたいなと思ってます」と返す。さらに理想のクリスマスの過ごし方についても聞かれた宮田が「本を読むのが好きなので。昼間はお友達やメンバーとパーティーして、夜はクリスマスにまつわる本とかをゆっくり読みたいな」と話すと、これに対し東村は「それ、お・と・な。イエーイ」とお茶目なコメントを返して、場内を盛り上げた。
潮紗理菜が出演したクリスマスにまつわるVTR映像が流れ終わるとここからはユニットコーナーへ。金村美玖、富田鈴花、松田好花による『線香花火が消えるまで』では、曲の途中で3人が移動式のゴンドラに乗り込みファンの近くでパフォーマンスを繰り広げる場面も。柿崎と佐々木美玲による『三輪車に乗りたい』では、2人が地上8メートルの高さまで到達するリフターに乗って歌唱し、武道館2階席にいるファンの近くで笑顔を振りまいた。粉雪のような紙吹雪が舞う中で鳴らされたのは潮、加藤、齊藤、佐々木久美、高本彩花による『沈黙した恋人よ』。
続けて「クリスマスはちょっとだけ苦手 街が明るくなると 星が見えなくなるから 楽しげに歩く人の波を上から見るとどんな風に見えるのかな きっとイルミネーションと一緒になってとってもキレイに見えるんだろうな」というナレーションから始まったのは、地上10メートルの高さに浮かぶ月のオブジェに腰掛けた佐々木美玲のソロ曲『わずかな光』。彼女は切なげな表情を浮かべながら歌い上げると、続いて2期生メンバーが『未熟な怒り』をクールにパフォーマンス。”パリピちゃん”こと富田のラップを挟んでから、加藤、高瀬、東村、富田、渡邉美穂が『ノックをするな!』を力強く歌い踊ると、それから1期生メンバーのみで『こんな整列を誰がさせるのか?』を迫力満点に届けた。
それから彼女たちは小坂をセンターに据えた新曲『君に話しておきたいこと』をライブ初披露。この後舞台にはマーチング隊も出現し賑やかな雰囲気の中で、長濱ねる(欅坂46)のソロ曲『100年待てば』をメンバー全員でパフォーマンスした。曲の途中では観客が膨らました彩り豊かなバルーンが上空に放たれ、なんとも華やかな空間が生み出されていた。
ここからひらがなけやきはカラフルな衣装にお色直しして、またも小坂がセンターを務める新曲『JOYFUL LOVE』をかわいらしくパフォーマンスする。この曲では客席がブロック毎にサイリウムカラーを変えて、会場は7色の光で満たされていた。このサプライズ演出を見たひらがなけやきのメンバーは「そういう作戦を立てていたんですか?」「めちゃくちゃキレイ」などと驚きの表情を浮かべていた。
いよいよライブはラストスパートへ。6月に発売された1stアルバム『走り出す瞬間』のリード曲『期待していない自分』で全力のパフォーマンスを見せると、2期生のみで『半分の記憶』を披露。『誰よりも高く跳べ!』の曲中には「武道館、跳べー!」という佐々木久美の叫びが会場中に響きわたった。最後は『NO WAR in the future』と『ひらがなで恋したい』が届けられた。曲が終わると、再び天井から巨大なプレゼント箱がステージへと降りてきて、セットの中へとメンバーは姿を消していく。大盛り上がりの中、大型ビジョンにはまたもベッドに眠る柿崎の姿が映し出され、カメラ目線で愛嬌たっぷりにウィンクし、熱狂の中でライブ本編の幕を下ろした。
アンコールは2期生楽曲『最前列へ』からスタート。小坂と富田は歌いながら感極まっているように見えた。続けて1期生の初期の曲『永遠の白線』が披露された。2曲を終えると佐々木久美がこのたびひらがなけやきのメンバー入りを果たした3期生の上村ひなのをステージへと呼び込む。「いつでもどこでも変化球、ひなのなの」と自己紹介する上村は、特技の”早歩き”をファンの前で初披露。その後「ひらがなけやきに必要と思われるような素晴らしいハッピーに満ち溢れたアイドルになりたいです」と力強く抱負を語ると、先輩たちと一緒に初めてひらがなけやきの挨拶を行なった。佐々木久美は上村に寄り添うように「ここにはいないんですけど、影(※学業に専念するため休業中の影山優佳)も含めて21人でこれからも頑張っていくので皆さんよろしくお願いします!」とファンに向け挨拶した。最後に彼女たちは『車輪が軋むように君が泣く』を選曲。ファンと盛大なシンガロングを繰り広げ、なんとも感動的なムードが会場を満たした。
鳴り止まないアンコールの声に応えるべく彼女たちは再びステージに登場し、最後にキャプテンの佐々木久美が挨拶。
「改めて、ひらがなけやきの1期生が入った当初からは考えられないくらいの方が、こうして応援してくれているんだなというのを実感しています。さっき”1年前って何をしてたんだろう?”と思ってカレンダーを見ていたんですけど、ちょうど今日(2017年12月13日)がツアーファイナル・幕張の日(けやき坂46 ひらがな全国ツアー2017 FINAL!)だったんですね。ツアーファイナルを幕張でやらせていただいて、そこが私たちにとって1番大きい会場で。こんな場所でできるなんてって思っていたんですけど、そこから1ヶ月くらい経って2018年の1月の終わりから武道館3daysもやらせていただきました。その時は”武道館3daysなんて私たちにできるのかな”っていう不安な気持ちだったんですけど、急遽ひらがなが3daysするって決まったのにも関わらず皆さんが武道館3daysを満員にしてくださって、”私たち2018年もやっていけるかも”と思えたんです」とファンに正直な思いを伝えていく。それから「『ひらがなくりすます2018』として武道館3daysが決まったときは2018年1月に決まったときとは全く気持ちが違っていて。不安なんてなくて”やってやるぞ!”って気持ちで挑むことができました。いつも応援してくれる皆さんに恩返ししたいという気持ちでたくさん準備してきました。だから今日で終わっちゃうのが本当に寂しいです。この時間が永遠に続けばいいのになってメンバーみんな思ってるんです」。
この言葉に、モニターに映し出された高本らも感極まっている様子。続けて佐々木は「ひらがなけやきはまだまだこんな所で終わりません。来年は皆さんが想像する以上にひらがなけやきになってもっともっと全速力で坂を駆け上っていきます! 皆さんこれからもひらがなけやきをよろしくお願いします!」と呼びかけ、東京ドーム単独公演を開催するというグループの夢を歌った『約束の卵』を全員で届け、会場中のペンライトが緑色に染まる中、『ひらがなくりすます2018』は幕を閉じた。
※カメラマン:上山陽介