プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」12月13日の2回戦で、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)が自身7勝目、チーム16勝目となるトップを獲得。縦横無尽の仕掛けを駆使して、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)から個人スコア首位の座を奪還した。
対局者は起家から赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)。連闘はなく、1回戦から全選手が入れ替わっての仕切り直しとなった。
全21選手の中で唯一、サラリーマンとの兼業をこなす“Mリーマン”の園田。それでも試合前の時点で平均着順、トップ率、連対率、アガリ率などの項目で全選手中1位の成績を残しており、兼業だからといってその実力に疑いの余地はない。この日は1回戦でチームメイトの鈴木たろう(協会)がオーラスの親被りで不運なラスを引かされていたこともあり、「なんとしてもトップを取りたい」といつも以上に強い思いで対局に臨んでいた。
必勝を期するMリーマンの園田に、東1局から冬のボーナスのようなチャンス手が舞い込んだ。配牌でダブ東が対子、さらにドラと赤が1枚ずつ。1巡目に幸先よく東をポンすると、7巡目には満貫確定のテンパイ。これを次巡に即座にツモり、ダブ東・ドラ・赤の1万2000点で挨拶がわりの強烈な先制パンチを見舞った。
続く東1局1本場でもツモが伸びて、7巡目にはメンゼンでタンヤオ・ドラ3のイーシャンテン。ここで園田の“魔法”が炸裂した。テンパイ確率を上げるために、滝沢がツモ切りした2筒をポン。圧倒的に待ち受けの広いイーシャンテンに変化させ、さらに茅森が切った8索をチーして3・6筒待ちのテンパイ。この手を滝沢から出アガリして、タンヤオ・ドラ3の満貫でさらに1万2000点(+300点)を加点した。
解説の渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が「園田さんがこの点棒を持つとやっかいですよ」と語った通り、わずか2局で5万点近くまで点棒を積み上げた園田は、ここから試合巧者ぶりを見せつけた。東4局では親番の茅森に満貫のテンパイが入る中、滝沢の七対子のみ・1600点の手に放銃。親の満貫を完璧にかわす絶妙な一打となり、意図的に狙った差し込みか否かと視聴者を大いにざわつかせた。
南3局で萩原の追撃を受けて、トップ目ながら点差が6400点にまで縮まったオーラスの8巡目。2索を切って役なしの1・4・7万待ちでリーチか、一万を切ってタンヤオ・平和となる2・5索待ちのヤミテンか、という2択で園田は長考に入った。試合後のインタビューでは「いまだにどっちが正解なのかよくわかってないです」と苦笑しながら振り返っていたものの、結果的にラス親の茅森からの放銃を引き出して、リーチ・ドラ2の5200点で勝負あり。終始的確な状況判断で、東1局で築いたリードを最後まで守り抜いた。
個人スコアで首位に返り咲いた園田だが、「チームの成績がすべてなので、あまり気にしていません。とにかくチームが優勝するためになにができるかを考えています」と柔和な笑顔でフォアザチームの精神を強調していた。それにしても、一癖も二癖もある強豪が揃ったMリーグで15戦7勝2着5回、トップ率46.67%に連対率80%、平均順位1.93という成績は驚異的というほかはない。「ドリブンズが首位でファイナルシリーズに進めるように」という目標に達成したとき、園田は一体どれほど圧倒的な数字を残しているのだろうか。スーパーMリーマンの快進撃はまだまだ続いていきそうだ。
【2回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)4万1900点/+61.9
2着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)3万300点/+10.3
3着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)2万3100点/▲16.9
4着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)4700点/▲55.3
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【12月13日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +278.9(48/80)
2位 赤坂ドリブンズ +147.2(50/80)
3位 TEAM雷電 +34.3(50/80)
4位 セガサミーフェニックス▲48.6(46/80)
5位 U-NEXT Pirates ▲50.7(50/80)
6位 渋谷ABEMAS ▲86.0(48/80)
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲275.1(52/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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