PayPay100億キャンペーン終了に神田敏晶氏「孫さんはもう100億、200億、300億と突っ込んでくるのではないか」
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 支払額の2割をポイントで還元、さらに40回に1回の確率で全額還元するという、鳴り物入りで始まったPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」。期間は来年3月31日まで、または還元総額が100億円に達するまでとなっていたが、4日のキャンペーン開始からわずか10日で突然の終了宣言が出された。

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 この早すぎるキャンペーン終了について街で聞いてみると、

 「コンビニで麦茶を買ったら全額戻ってきて、173円か…と思いながらもありがたいと思った。もうちょっと粘ってほしかったな、というのはある。これだと多分、誰も使わないんじゃないかな」

 「ちょうど先週の土曜日に家電量販店に行って、せっかくだから13万円ぐらいのいいレンジを買おうと思ったら、妻に"こんなスペックの高いのいらないでしょ"と言われて。それで持ち越しになったら終わっちゃった」

 と、様々な声が聞かれた。PayPayは「10日間という想定外の早さで終了となり驚いていますが、たくさんの方に使って頂き感謝しています。今後も新たなキャンペーンを予定しています」とコメントしている。

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 14日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演したITジャーナリストの神田敏晶氏は「普通だったら40分の1の確率なのが、ソフトバンク系のワイモバイルを使っていたので、確率が10分の1。初日にH.I.S.で購入した航空券の2万5000円分、今話題のファーウェイのタブレット5万円分の全額が当たった」と明かした上で、今回のキャンペーンについて次のように評価する。

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 「ただ、まだ僕のお金が出ていっていただけで、1月10日にPayPayの加盟店でしか使えないポイントで全額が戻ってくるということ。つまり、それまでに加盟店になれば、100億円分のおこぼれに預かれるかもしれないということがこのプロモーションのすごいところだ。また、還元額される100億円分が20%だから、ソフトバンクは現時点では1銭も払わずに皆のポケットから500億円出させたということ。1人あたり1万円の買い物をしたと仮定すれば、10日間で利用者が500万人も生まれたことになる。実は1人獲得するのにたった2000円のコストしかかかっていないということでもある。昔、Yahoo!BBがモデムを駅前で配ったように、孫さんは前代未聞のことをやって話題にするというが得意だ。もう100億、200億、300億と突っ込んでくるのではないか」。

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 神田氏が指摘するように、店舗がPayPayを導入する場合、初期導入費用・決済手数料・入金手数料が3年間無料になっているほか、決済後の店への入金は、最短で翌々営業日(ジャパンネット銀行は翌日)というメリットもある。クレジットカードの場合は数%~10%程度の手数料を店側が負担しなければならず、入金も電子マネー同様、半月後や1か月後だ。

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 「QRコードを印刷した紙切れ1枚、看板1枚あれば、それを読み取ってもらえばいい。この10日間で、手数料や設備投資なしで、お客さんが100億円を持ってきてくれるという風に意識が変わったと思う。また、誰がどこで何時に使ったというビッグデータを使えば、クーポンを出してキャンペーンが打つなどのマーケティングもできる」。

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 こうした点については、立教大学教授の田中道昭氏も「メディアでも大々的に取り上げられて、広告費に換算すれば数十億円分の効果」「大型プロモーションとして展開していて、今回はその第1弾。第2弾、第3弾にも期待」「マーケティング的には3年単位で考える。3年後に回収できればいい。それまでに認知・普及を行う」との見解を示している。

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 他方、今回のキャンペーンを巡っては、転売・返品も話題になった。ネット上には「全額ボーナスガチャ当てるためにSwitchの購入と返品を繰り返すってのを見て、とんでもないヤツがいたもんだなと思ったよ!」「PayPay当たらなかったから返品してって人、結構多かったけど恥ずかしくないのかな」といった声が見られ、実際に転売したと思われる人の「MacBookProを3台購入。34000円分還元×3からの3台転売完了にてボロ儲け万々歳」という投稿もあった。

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 こうした行為についてPayPay広報は「返品を繰り返すなど不正行為があった場合、来月のポイント還元時に付与しなかったり、アカウントを削除するなどの対策をこれからとっていく」と話している。

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 ある男性は「Suicaとかに比べると時間がかかってしまう。大きい買い物をする時もクレジットカードの方を使ってしまうというところがあったので。やっぱり使い勝手が悪いから自分はいいかな」、また、現金派だという女性は「現金をあまり使わない世の中になっちゃったら電子マネーとか使うかもしれないが、盗まれたりとかそういう心配がある。スマホ1台で全部できちゃうとスマホがなくなった時に大丈夫なのかなという心配があって」と不安も口にする。

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 こうした課題も踏まえ神田氏は「イノベーター理論」を例に取り、「まだ10日なので、イノベーター層が動き出したというところ。だから"乗り遅れた"という表現は違うと思う。"乗り急いだ"人が食い散らかしちゃっただけだ。また、アーリーアダプター層とアーリーマジョリティ層の間に"キャズム"という溝があり、これを超えた瞬間に爆発的に普及する。日本ではクレジットカードもアーリーマジョリティくらいまでしか届いていないために社会のキャッシュレス化が遅れているが、近い将来、現金を下ろす必要がなくなり、公衆電話のようにATMも姿を消すのではないか。だから皆さんも出遅れていると思わない方がいい。これからだと思う。まだ序章だ。ソフトバンクとしても上場が控えているので、いい風を吹かせないと」と指摘した。

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 果たしてPayPayは次なるキャンペーンも用意しているのだろうか。また、キャッシュレス化への起爆剤になるのだろうか。注目が集まる。

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