中国・北京の広場で、突然頭を剃り始める女性。1人だけでなく、最終的に4人の女性が集まり頭を丸めた。実は、女性たちの夫は中国政府に拘束されている。
「彼らはずっと恥知らずな“無法”を続けている。私たちは“無髪(ウーファー)”の抗議をして、恥知らずな“無法(ウーファー)”を表現しました」(王全璋弁護士の妻・李文足さん)
「これは中国の弁護士全体の逮捕による迫害です。中国の良心的な弁護士への迫害だけでなく、中国の一般市民に対する迫害なんです。私たちを守る法に反しているんです」(謝燕益弁護士の妻・原珊珊さん)
![中国 拘束中の弁護士の妻らが“頭を丸め“政府に抗議 その意外な理由とは](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/724w/img_50fab975d1499b0e78de1c811e6ff508184609.jpg)
女性らは中国語で「無法」と同じ発音の「無髪」にかけて、頭を丸めて抗議していたのだ。では、夫らはなぜ拘束されているのか?
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そのきっかけは、「709の大拘束」。北京など中国各地では2015年7月9日の前後、100人以上の人権派弁護士や活動家が拘束された。中国司法省は「弁護士らは法律の看板を掲げながら、ウソやハッタリで人をだまし、挑発して対立を悪化させた」と説明し、「弁護士の活動の自由は共産党が許した範囲内でのみ認められる」として、捜査の正当性を強調。事件をめぐっては、アメリカ政府などが「不当な拘束」だとして、弁護士らの釈放を求めるなど国際的な関心事となった。
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その「709の大拘束」で拘束されたうちの1人が、今回抗議活動を行った李文足さんの夫・王全璋弁護士。朝日新聞によると、王氏は中国が邪教として厳しく取り締まった「法輪功」関連の弁護も手掛けてきた。妻の李さんは、夫らの解放を訴える活動を続けてきたが、李さんを非難する地元住民らによって一時、自宅から出られない監禁状態に。地元住民や警察とみられる人物と支援者らが衝突をする場面もあったという。
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王氏については、2015年に拘束されてから今に至るまで裁判さえ開かれていない。頭を剃った李さんら4人の女性は、最高裁に相当する最高人民法院に抗議に行ったが、その声を直接届けることはできなかった。
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「きょうは中に入ることはできませんでした。でも私たちは抗議を続けていきます。彼らは無法を続けている。私たちは彼らが無法だといい続けていきます」(李文足さん)
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)