普天間飛行場返還の日米合意から22年、ついに辺野古移設工事の土砂投入が始まった。
菅官房長官は14日、「日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険除去、これを併せ考えた時に辺野古移設が唯一の解決策だと思う」と改めて述べたが、沖縄防衛局の調査で、滑走路等が作られる場所の一部に海底から40mもの厚さでマヨネーズのような軟弱地盤が見つかった。
防衛省は「今後の調査結果を含めて総合的に判断する。現時点で地盤改良は検討していない」との見解を示しているが、地盤改良工事をしないとその上に構造物を造るのは不可能だとする専門家もいる。辺野古で大規模な改良工事を行うためには玉城デニー知事の許可も必要だが、その玉城知事は14日、「今回土砂を投入したとしても今後、軟弱地盤等への対応が必要であり、辺野古新基地の完成は見通せない」と指摘。「我々は絶対に諦めない。勝つことは諦めないことだ」と述べている。
また、玉城知事が先月行われた安倍総理との会談で、工費が国の計画の10倍もかかると伝えていたことも分かった。防衛省の計画では辺野古移設工事の総事業費は2405億円だが、沖縄県の試算では2兆4000億円に膨らむとしている。ここに軟弱地盤の改良工事が加われば、さらに1500億円の追加費用がかかるというのだ。埋め立ての工期についても、防衛省が5年としているところ、沖縄県の試算では埋め立てに5年、地盤改良に5年、施設整備に3年の計13年と見込んでいるという。
22日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した佐藤正久外務副大臣は「調査をしないとどういう地盤かは分からない。まさに工事の中の一つのプロセスで、県の許可を得ながら3月31日までに調査を終える予定で、その結果で全て明らかになる」と話す。
「普天間飛行場は元々輸送のためのヘリコプター部隊がいた。海兵隊というのは、すぐに動かないといけないので、輸送部隊とその隊員、支援物資が近くにないと意味がない。辺野古への移設は、色々調べた中で普天間にある程度近いということで決まった。私も外務副大臣として玉城知事と何回も会ったが、議員になってからは辺野古反対派のテント村に行っておじいさんとかと話をしたこともある。話をすることで、お互いの距離が縮まるのは間違いない。玉城知事は"対話は継続する"と言っているし、その点は我々も同じだ。政府としても、なぜ沖縄に米軍が必要で、なぜ海兵隊の飛行場が必要なのか、もっと丁寧に、継続して説明をしないといけない」と述べた。
中谷元元防衛大臣は「日本と周辺国の安定のために米軍が存在している。沖縄の兵士も日本に来て、日本の安全という意識を持っている。私も防衛大臣として知事や市長と話をしてきた。この問題はもう20年になった。国も県も市も、ここに埋め立てをしてやりましょうという合意をして始まったし、やはりそういう前提で進めていかないとますます混乱する。そうでなければ、とても危険な普天間飛行場が残ってしまう。一日も早く移転をすることが、沖縄にとっても我々にとっても唯一の解決策だ。関空や那覇の空港も埋め立てているが、今の日本の土木技術をもってできないわけない。早くしないといけない」と訴えた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)