1989年に『どついたるねん』で監督デビューして以来、日本アカデミー賞で最優秀監督賞を受賞したほか、同年の映画賞を総ナメした『顔』(00)や日韓合作の『KT』(02)、『闇の子供たち』(08)、『北のカナリアたち』(12)、『団地』(16)など家族愛から歴史の裏側に隠された事実に迫るジャーナリスティックな作品まで実に多彩なテーマに挑んできた阪本順治監督。26作目となる最新作『半世界』は、阪本監督自らが書き下ろしたオリジナル脚本。地方の田舎町を舞台に、39歳という人生の節目の年齢を前に、同級生同士だった男3人の再会から始まる友情と、夫婦、そして家族の絆を描いたヒューマンドラマだ。主演を務めたのは稲垣吾郎、さらに脇には、長谷川博己、渋川清彦、池脇千鶴という個性派俳優を揃え、監督らしい独創的なストーリー展開で泣き笑い、そして驚きにも満ちている。