『格闘代理戦争 3rdシーズン』のトーナメント決勝戦が、12月29日に開催された。
女子MMA編として行なわれた、この3rdシーズン。決勝に勝ち上がったのは青木真也推薦の“号泣JK”古瀬美月と桜井“マッハ”速人推薦の“乙女座の殺し屋”平田樹。古瀬が17歳、平田が19歳と若い選手同士の対戦だが、どちらも一回戦、準決勝ともに一本勝ちを収めている。
将来性充分な新鋭同士の対戦、しかも推薦人が2ndシーズンから因縁のある青木とマッハ。注目の決勝戦は、周囲の期待に応えるような一本決着となった。
序盤はジャブでの探り合い。そこから平田が圧力をかけると組み付き、テイクダウンを狙っていく。ここは金網を背負いながら古瀬がディフェンス、レフェリーがブレイクをかけたが、そこで平田が集中力を発揮。
試合が再開された瞬間に飛び込み、平田はテイクダウンに成功。グラウンドでパンチを浴びせ、最後はアームロック(アメリカーナ)で一本。1ラウンド2分54秒での鮮やかなフィニッシュだった。
勝利の瞬間、歓喜を爆発させた平田。練習してきた打撃を見せたいという思いもあっただけに100%満足のいく試合ではなかったようだが、オール一本での優勝は見事だった。まして19歳で賞金300万円、アジア最大級の格闘技イベントONE Championshipとのプロ契約を勝ち取ったのだ。
平田は一度はトライアウトで落選しながら、マッハ推薦選手として「拾ってもらった」経緯がある。いわば“下克上”の優勝という意味でも劇的だった。
「今がスタートラインです」と試合後の平田。ONEで目指すのは、もちろんチャンピオンの座。そこに至る長い道のりが、ここから始まった。
一方、敗れた古瀬、そしてコーチとして精神面でも寄り添ってきた青木も悔し涙にくれた。その活躍ぶりに、古瀬には特別敢闘賞が授与。マイクを握った青木は「この3ヶ月、古瀬は本当に頑張ってくれました。番組は終わりますけど、僕たちのストーリーは終わりません。これからも頑張ってくれると思いますので応援してください」と観客に訴えた。
勝者の姿も敗者の姿もドラマチック。若い両者だけに、これからの格闘技人生にも注目していきたい。