
2018年に結成20年を迎えたお笑いトリオ・ロバートが、2019年の元旦にAbemaTVで新境地を切り拓く第一歩を踏み出すことになった。
今年7月より放送している「おはようロバート(毎週土曜10時)」は、その名のとおりロバートが主演を務めるAbemaTVでは初となる子供番組。彼らが幼少期から長年あたためてきた(地上波では成仏できなかった)ネタと現在の等身大ロバートが合わさった、本人たち曰く高カロリーな番組。コント形式のショートコーナーが立て続けに披露され、開始4カ月で人気コーナーを続々輩出している。
その通称“おはロバ”が2019年の元旦(11時~14時30分)に放送されることが決定したことを受け、本人たちにインタビューを行い番組開始から今まで、これから、何より元旦では初となる冠番組について心境を伺った。
― 「成仏できなかったネタたちの墓場」ということで番組をスタートさせて4カ月が過ぎました。順調に成仏できていますか
秋山 もちろんです。同時に新しいネタも取り入れながら、ちょうどいいバランスになってきています。全くの別物になったりもしていますし。楽しいですね。
馬場 何より自分たちが楽しめています。
― 当初は子供番組としてスタートさせましたが、そのコンセプトは変わりませんか
秋山 「子供番組」という線引きは変わっていませんよ。
山本 ただ……親子では見られないかもしれないなぁ。親は親で、子は子で。色々な捉え方がありますかね。子供向けだったり、自分たちが子どものように遊んでいるだけだったり。
馬場 ただ、子どもにとっては勉強になるネタもあります。例えば、蛙が共食いをして「フレンド・イート」。というか、自然界の掟というか。色々な情報も実は詰まっています。
― インターネットテレビを満喫できているか
山本 これだけ好き勝手やっているのに「ちょっとウチ的には(NGです)」みたいなことを言われたことがない。
秋山 全部OKですよね。「最底辺替え歌」とか、地上波だったらまず無理ですからね。
馬場 ネタのNGは収録時の空気感で分かりますよ。ただこの番組に関しては、全部笑ってくれますからね(笑)。
― 「おはロバ」を通じて、メンバー内の心境や関係性に変化は
秋山 あまりないですかね。楽しんでいるだけだから。ただ、周囲の反応はありますよね。You tubeのコメントとか見ても「本当に楽しそうにやっている」とかありますからね。やっぱり自分たちが楽しんでないと、そういうのは伝わりますから。
山本 僕がメインのコントとか、地上波だったらまずないですからね。その点は貴重かも。
― Youtubeのコメントとか見るんですね
秋山 見ます見ます。かなり濃いのやっているから、「ちゃんと伝わっているかな」と気になったりします。あとは「文字の110番」とかね。キャラクターのっけてやってますけど、「文字の修正とか本当にスゴイ」という反応もあります。
馬場 「文字の110番」に関しては、Youtubeでまったく同じことをやっている人がいるよね。アレンジもせず、そのままね。普通は文字を変えるとかやりそうなもんですけどね。本当の意味で完コピです。

― ロバート結成20年。今まで「元旦、冠、生放送」という経験は
秋山 ないよね。ロケ番組とかネタ番組はあるけど、ガッツリ生放送というのは初めて。いや、釣り番組で広島に行ってというのはあったかな……。だから今回は嬉しいけど、心配もあります。元旦から、こんなの垂れ流していいのか? って(笑)。元旦の11時~14時30分ごろは、大晦日に夜更かしをして目覚めた人が、ようやく雑煮を食べ始めるくらいの時間帯ですからね。オレの計算上、「初詣でも行こうか?」って言い始める一番いい時間。元旦のゴールデンタイムですよ。
馬場 編成的によくOK出したな(笑)。
秋山 最底辺替え歌もそうですが、その他にも下ネタがそれなりにありますからね。
山本 濃いですよね。生放送に加え、今までの振り返りも何本もあるわけですからね。
秋山 新年一発目の、ある意味本当の「おはよう」ですよ。おはようロバートでは片付かないんじゃないかな。
山本 「明けましておめでとう」のおはようですから。
― 演者と制作、双方が満を持しての元旦ですね
秋山 今日もランチミーティングやりましたから。僕らは会社員じゃなく芸人なので別に「ランチ」って言い切ってもらわなくてもいいんですけど(笑)。
山本 なんか余計に意識しちゃって、あえて昼を食べないで、空腹で臨みましたからね。
馬場 だってマネージャーからLINEで「ご飯は食べないで来てください」っていう念押しまであったからね。
秋山 メニューは弁当じゃなくて、押し寿司とカレー、みんなで千切って食べるナン、焼肉弁当、カップケーキ。で、閃いたんですよね。何かをギュッと押してみたいなって。何かをね(笑)。ヒロシを押してみようかな……。
馬場 「押しヒロシ」ね。
山本 「押しヒロシ」……何だよ、それ!
― 「押しヒロシ」(笑)。とはいえ「元旦で冠」。3人で今までを振り返ったり、何かを話したりしましたか
秋山 いつも通りですけどね。ただ、単純に一人でも多くの人に見て欲しいから、嬉しいですよね。いつもより相当な数の視聴者が見る機会、可能性があるわけですから。親族みんなで。無理な人は「無理」となるかもしれないけど、「この感じ好きかもしれない」と思う人を少しでも多く囲い込みたい。新しいロバートファンを。ダメな方は、ダメなままで結構ですから。
山本 今までやってきたことを無理やり、正月仕様にするわけにもいかないしね。
秋山 「おはようロバート」改め「あけおめロバート」だね。
山本 いやいや、典型的な正月番組だと思って見られたらとんでもないことになるでしょ。
― 「あけおめロバート」、元旦のライバルは何になると?
秋山 元旦といえば、という連想ゲームをやったら、「餅つき、凧揚げ、年賀状」の次くらいに出てくるようになればいいですね。ライバルは雑煮。お腹が空いて、つい雑煮にテンションが行ってしまう時間帯。
山本 ライバルはお餅?
秋山 あとは親戚一同集まった時に必ず一人はいる、話が面白いお兄ちゃんとかね。
山本 餅食いながら見る番組じゃないでしょ。しっかり軌道を確保してから見てもらわないと、下手したら餅が詰まって大変なことになるよ。
秋山 大丈夫。お年寄りは笑う以前に、僕たちの笑いを全く理解できず、餅を食わずに口を開けたままだから、詰まる心配もない。
全員 (笑)。
― ロバートらしさ「自由に楽しく」という印象が満載の番組です。芸人にとっての「自由」とは
秋山 翼がある、大海原に飛んでいく……。
山本 「翼をください」の歌みたいになっているから!
秋山 僕らは今、「おはようロバート」という名の居心地のいい空を自由に飛ばせてもらっている。
馬場 疲れたら木にとまればいいし、無理に飛び続けなくたっていい。
山本 だから、完全に鳥の話になってるから! 芸人にとってどうとか、もっとカッコいい話をしろよ。
秋山 空の管理も素晴らしい。
山本 空の管理って何だよ!
秋山 素晴らしい管制官がいるんだよ。打ち合わせで盛り上がっても「やっぱり」みたいになることは良くあって、そのたびに「ほら見たことか」っていう残念な気持ちになる。だけどこの番組は「マジで来週やるんかい!」のパターンが多い(笑)。いい意味で誰も冷静にならないからこそ、過去に冷静になった人たちに「あれ、やっておけばよかった」と思わせてやりたい。まぁ今回に関しては、それでも「マジで元旦やるんかい!」ですけどね(笑)。
(C)AbemaTV


