相次ぐパワハラ、セクハラ被害の報道。一体セクハラやパワハラのボーダーラインはどこにあるのだろうか。
SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、番組進行役にりゅうちぇるを加え、特別版「Mの悲喜劇」を放送。セクハラやパワハラの加害者になった“オッサン”ゲストを招き、本音に迫った。
現役時代に新人女性の教育係を担当していた渡辺貴昭さん(仮名・62歳)は「セクハラのボーダーラインはない。相手が(セクハラだと)思ったらそれまで」と話す。渡辺さんは「私が長をやっていて部下が頑張ったときは“頑張ったね”と(部下の)肩を抱いたり、握手したりしていた。今はそれがダメになった」と説明する。
渡辺さんの話を聞いたりゅうちぇるは「今もそれをやっている会社もあるのでは」と主張。りゅうちぇるは「信頼関係ができていて、ハイタッチなら許されている雰囲気も絶対にある」と話し、スキンシップを取ることだけがセクハラだと叫ばれるのではなく、信頼関係ができていない状態でスキンシップを取ることが問題なのではないかと指摘した。
渡辺さんは、教育係として研修で教えた新人女性の相談相手だった。喫茶店でお茶をしながら悩みを聞いていたが、渡辺さんが「焼き鳥は好き?」と聞くと新人女性も「好きです」と回答。予定を合わせて後日、新人女性が車で渡辺さんの自宅に迎えに来てくれたという。
偶然、息子が車庫の前にいたため、息子を新人女性に紹介した渡辺さん。新人女性が「息子さんかっこいいですね!」と話したことで、新人女性が独身だと知っていた渡辺さんは焼き鳥屋で「付き合っている人いるの?」「息子と付き合ってみる?」と聞いてしまった。その後、渡辺さんはセクハラ疑惑で減給処分に。どうやら新人女性には“息子と”という言葉が聞こえず、単純に「付き合ってみる?」と言われたと勘違いしたようだ。
(▲小林裕次さん)
一方で、現役の営業職であり、職場の女性と飲みに行った際に性的な話をしてしまい、セクハラの加害者となった小林裕次さん(仮名・45歳)は「社内恋愛は普通。でも今はすごく(社内恋愛の)きっかけが作りにくい世の中になっている」と話す。
小林さんは「付き合ってくださいと言って『気持ち悪い』と思われてしまうとセクハラで、受け入れられれば社内恋愛になる」と持論を展開。りゅうちぇるも「信頼関係もあると思うけれど、男性が女性の目の動きを見て100%自分への気持ちを判断するっていうのは正直難しい。配慮が必要になる」とコメントした。
(▲木下千佳さん)
また、今回の特別版では実際にセクハラの被害を受けた女性たちが別室に集まり、自身の受けた被害の体験談をトーク。
現在、会社経営をしている木下千佳さん(仮名・35歳)は、過去に勤めていた会社の社長からセクハラを受けたという。社長と飲んだ帰り、運転手付きの車で送ってもらえることになった木下さん。運転手もいることで安心し、うたた寝をしてしまった木下さんが目覚めると、目の前に社長の顔があった。「油断した私も私……」と反省する木下さんに、SHELLYは「私がいけないって思う文化がいけない」と声をかける。
SHELLYは「いけないものはいけない。嫌なものは嫌って言えば伝わるし、嫌がられているのにやり続けるのは本当に一部のヤバイ人たち。ほとんどの人は悪気なく、悪意なくやっているけれど、ずっと許されてきたからそのままきているのがほとんど」と説明。木下さんは、セクハラのボーダーラインについて「オッサンが感じているボーダーラインはたいてい間違っている」と自身の意見を述べた。
(▲後藤稚菜さん)
現在は事務職として働く後藤稚菜さんは、過去の職場でセクハラ被害に遭った。前述の渡辺さんのエピソードを聞いた後藤さんは「本当は一緒に飲みに行きたくない気持ちがあったのでは」と推測する。
SHELLYも「(一対一ではなく)3人で飲めばいいのに、リスクヘッジがなさすぎる」とバッサリ。後藤さんは「セクハラに対して社会全体の感覚がやっと変わってきている。今まで(女性に)触ることがまかり通ってきた時代のほうがあり得なかった。でも、セクハラという言葉が広がって、被害だと訴えていいと気づいた」と話す。
セクハラやパワハラの悲しい被害を生まないためにも、可能な限り男女一対一の飲みや会食をなくし、日頃から信頼関係を築くなど、企業がこれからできる対策もありそうだ。
(C)AbemaTV
(AbemaTV『Wの悲喜劇』より)
(ライター/小林リズム)