10日放送されたAbemaTV『NewsBAR橋下』で、作家の乙武洋匡氏がベーシックインカムについての議論を提起した。
「たとえば全員に毎月10万円を配るとしたときに、東京で暮らすのと、地方で暮らすのはQOLが違うし、狭い家に住んで満員電車に乗るよりも、地方でゆとりある暮らしをしよう、と考える人は少なくないのではないか。中央の財源を地方に移すのもいいが、道州制とベーシックインカムをセットで考えると面白いと思う。国がある程度は食わせてあげるよ、となれば、道州制がやりやすくなるのではないか」。
この問いかけに、橋下氏も「ベーシックインカムは、これからの時代には絶対に考えていくべき話だ」と断言。「ただし、僕のベーシックインカムは、最低限を補償するかわりに、徹底的に切磋琢磨、競争してねという考え方だ。いわば空中ブランコで、やれる人はどんどん技に挑戦してほしい、でも、ダメだった時は下に張ったネットで絶対に救ってあげるから、ということだ。これをきちっとやれば、国民は安心すると思う。今の生活保護はそれなりの金額なので、もらえる人ともらえない人の線引きをしないといけないし、そのための公務員の数やコストがかかる。その上に、本来もらえる人の2割くらいしか利用していないという推定もある。ベーシックインカムにすれば全員がもらえるようになるけれど、額は生活保護よりもちょっと下がるので、今度はそれで生活ができるか、という問題が出てくる。そこからは政治の選択だ。"申し訳ないけれども、東京ではなく、その金額で生活できるところに住んで"ということを言えるかどうかだ」とコメントした。
ジャーナリストの堀潤氏は「自治体が説明しても受け取ってもらえずに、かえって不幸が起きている場合もあるし、分断を生んでしまう場合もある」、乙武氏も「良心的ではない自治体の場合、受給しなくてもいいでしょ、と判断してしまうかわいそうなケースもある」と、生活保護の問題点を指摘しつつ、それでもベーシックインカムの導入は様々な課題をクリアしなければならないとの認識を示していた(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)