NGT48のメンバー山口真帆さんが先月、男性2人から自宅で暴行を受けたことを訴えた問題で、運営会社「AKS」が14日、会見を開いた。
10日の劇場公演に出演した山口さんはステージ上で「私にも守りたいものがあったから、このような形で皆様に伝えることになってしまったことも、お世話になっている方々にも迷惑をかけることになってしまったことを本当に申し訳なく思っている」と、声を震わせ謝罪している。このことについて、AKS代表取締役の松村匠氏は会見で「被害者が謝罪するようになってしまったことは深く深く反省している」と釈明した。
また、今回の問題で注目されているのが、メンバーによる関与だ。ネット上ではすでに一部のメンバーが関与を疑われ、本人たちが否定するなど"犯人探し"も進行。名前の浮上したメンバーがTwitterで関与を否定するコメントを出す事態に至っている。運営側はメンバーの1人が山口さんの帰宅時間を連想させる情報を加害者男性に伝えていたことを認めているが、松村氏は新潟警察署からの説明を受け「メンバーに違法行為をした者はいない」との考えを示した。その上で「NGTのメンバーとして不適切な言動、行動に関しては、改めて第三者委員会の方で調査をさせていただきたい」とし、今後、第三者委員会を設置し、調査を行っていくことを明らかにした。
AKSによる「第三者委員会」の設置について、ニューヨーク州弁護士の山口真由氏は「第三者委員会は運営側の問題を調査するべきで、メンバーに関しての調査をするというのは疑問だ。山口さんは運営側に訴えていたのにも関わらず、1か月くらい放置されていたと主張している。そこのシステムがどうだったのか。また、トラブルの際に、メンバーの部屋から男性が出てきたという報道もある。ファンとの距離は適切だったのか、管理ができていないことを運営側はきちんと把握していたのか。そうした点をきちんと調査して、改善のためのコンプライアンス体制を公表するのが良いと思う」と話す。
■ウーマン村本「支配人は交代の前に誠実に説明すべきだった」
また、自ら情報を発信しているメンバーもいる中、批判が集まっていた今村悦郎支配人は会見に出席せず、未だ本人からの説明が無いことについても疑問の声が上がっている。
AKBグループのメンバーとレギュラー番組を持つウーマンラッシュアワーの村本大輔は「NGTはまだグループができて間もないということもあって、みんなめちゃくちゃ頑張っている印象があった。地方のグループなので、東京に比べて管理が行き届いていない部分もあったのではないか。支配人は交代する前に誠実に説明をしてクリアにしないと、頑張っている他のグループのメンバーにも迷惑がかかる。ちゃんと加害者側の男性と関与した子に謝罪させ、信頼を取り戻すために一から頑張るというのが誠実な態度ではないのか。ただ、"恋愛禁止"というルールに対して人権はどうなのかという問題もあるし、これ以上ルールで縛ってしまうのも問題がある中、セキュリティをどうするのか。それでもAKBグループの中には文春砲を打たれても不死鳥のように復活した人もいるし、そういうところが見ものだった部分もある。今回の件をはねのけて、全員いい方向に行ってほしい。ファンの人はものすごい額のお金を使っているんだから、とにかく誠実にやらないと離れていきますよ」と話す。
これに対し、タレントの池澤あやかは「今までのスキャンダルとは違って、犯罪性の高い問題だ。本当に復活できるのか」と疑問を呈した。
■吉田豪氏「関与したメンバーは他の理由で活動休止にするのがベター」
姉妹グループであるSKE48の須田亜香里さんは、「表立った謝罪や解雇は避けたほうがいいのではないか」「大きな過ちでも一生表立って非難を受けるのは10、20代の女の子には酷だと思う」とTweet。アイドル業界に詳しいプロインタビュアーの吉田豪氏は「第三者員会の調査結果が出ても関与したメンバーなどを大々的に公表すべきではない」とした上で、「メンバーを処分する事態でも、"今回の件で心に傷を負ったから長期療養"など、他の理由で活動休止にするのがベター」との見解を示している。
ノンフィクションライターの石戸諭氏は「この件についてはいくつかの問題が錯綜していると思うが、根本的な問題は、運営側が今までの体制で被害者を出してしまったということ。これにどう対策を練るかということを明らかにしていない。それはメンバーに防犯ブザーを配るといった話ではない。仮にメンバーに関与があったとしても、どの程度の関与があったのかは分からないし、度合いによって公表するのか、非公表なのかも変わってくる。まず必要なのは事実関係の調査だ。そこが明らかにならないからこそ問題を大きくなっているし、犯人探しにもつながっている。犯人探しはネット上に一生残る」と指摘。
■乙武洋匡氏「山口さんの移籍も選択肢では」
会見には異動が発表された今村悦郎支配人に代わって着任する支配人の早川麻依子氏と副支配人の岡田剛氏も同席した。早川新支配人は「まずは山口真帆としっかり話をして、他のメンバーとも一人ひとり心を割って話をして良いグループを作っていけたらなと」と話している。
作家の乙武洋匡氏は「一番大事なのは、山口さんが安心してアイドル活動を続けられることだ。新支配人は"みんなと腹を割って話をして解決する"と言っているが、山口さんがあのようにステージ上で何度も頭を下げてしまうようなお人柄だとすると、よく学校でいじめが起きた時の"これでみんな仲直りだ!いいか!""は、はい"みたいな状況になってしまい、何も解決していないのに、山口さんが飲み込んでしまうかもしれない。僕はAKBグループの細かな仕組みを把握しているわけではないが、NGT以外のグループに移籍させてあげることも、ベストではないが一つの方法なのかなと思う」と話した。
山口さん、そして全てのメンバーが納得し、安全に活動できる解決策はあるのだろうか。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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