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 カルロス・ゴーン被告が再逮捕された日、フランスの司法当局が竹田恆和・JOC会長を事情聴取、刑事訴訟の手続きを開始した。

 捜査を担当するのは、シラク元大統領やサルコジ元大統領の汚職事件を担当した敏腕判事だといい、オリンピック招致委員会が海外の代理店に支払った約2億円のコンサルタント料の一部がセネガルのIOC関係者に賄賂として渡っていたという贈賄の疑いが持たれているのだ。

 竹田会長は会見で「私自身はブラックタイディングス社との契約に関し、いかなる意思決定プロセスにも関与していない」と否定。「フランス当局と全面的に協力することを通じて、自ら潔白を証明するべく、全力を尽くして参る」とした。しかし、質疑応答に応じることなく7分間で終了したこの会見に、会場に来ていた海外メディアの記者も「逆に疑惑を再燃させてしまった。IOCは彼が黙っていてくれた方が良かったと思っているはずだ」と指摘している。

 中国・新華社は「フランス当局が竹田氏の調査を始めたタイミングが絶妙」、ロシア・RTニュースは「報復か?日産前会長告発と同様にフランスがJOC会長を捜査」、韓国・YTNは「日本の一部メディアではフランス当局の復讐と懸念する声も出ている」と報じている。

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 19日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した前東京都知事の舛添要一氏は「タイミングが良いから、"ついにフランスやったな"と思った。ゴーンが捕まる前から捜査をしていて、(刑事訴訟の手続きも)前から決まっていたという報道もある。しかし、なぜこのタイミングでそれを新聞にリークするのか。そこに意図を感じる。フランスは、いかに日本が野蛮な非文明国で、人権も無視するような国だということを示したい。ゴーン被告をあんなに長期勾留するような国はひどいじゃないかと。それに対して、"私たちを見てご覧。疑惑はあるが、竹田のことは一切勾留しないで事情聴取をしている。どっちが文明国か"とういうメッセージもあると思う」と話す。

 「普通、あと1年半でオリンピックという時期に捜査はしない。NHKが大河ドラマ『いだてん』を作るくらいの国家的事業だし、そこでJOCの会長に疑惑があったらイメージが悪くなる。リオの時も、開催の邪魔になるから終わってからやった。おそらく色々な圧力をかけて、竹田会長が辞任せざるを得ない状況に持っていくのだろう。検察の場合は行政権だが、フランスの予審判事は司法に属しているので、政府とは関係なく、絶大な権力を持っている。大統領よりも強い。一人でコツコツやって、警察権を使って徹底的な調査もできる。証拠集め次第だが、私が予審判事ならば、竹田さんを起訴すると思う。相手方のセネガル人がやっているのはマネーロンダリングだ。そのセネガル人の息子がパリで買った時計の代金をブラックタイディングス社が払っている。つまり、時計という形でマネーロンダリングをやったということだ。予審判事的としては"いくら意図がないと言っても、マネーロンダリングの片棒を担いだじゃないか、なぜひどい会社だということを見抜けなかったんだ"ということになる」。

■恒泰氏「起訴されないと思っている」

 明治天皇のひ孫にあたり、自らも馬術競技でオリンピックに2度出場、2001年からJOCの会長を務める竹田恆和氏。その長男が、憲法学者の竹田恒泰氏だ。恒泰氏は今回の問題について「JOCの案件は2年以上前から捜査されていて、結局犯罪を証明するものはまだ何も出ていない。この時期にフランスがこれを蒸し返してきたということは、ゴーン逮捕の報復と見るのが普通だろう」とTweetしている。

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 恒泰氏は「事務所にいた時に第一報が入ってきて、直後にTwitterでつぶやいた。中国メディアの"絶妙"という言葉があったが、これはゴーン逮捕に絡めてフランスが茶々を入れてきたなと思った」と話す。

 また、批判を浴びた会見については「東京オリンピックは父個人の問題でも、東京だけの問題でもない。日本全体、世界に大きな影響を与えることだ。当初は質疑応答も予定に入れていたようだが、未明の段階で質問は受けないことにした。記者の方からは"そんなに暇じゃない"とか"会長は頭が悪いのか"など、すごい罵声が飛んでいた。あんな人たちに揺さぶられ、誤解されるような言葉が出てしまった時のリスクを考えたら、質問を受けなかったことは正しかったと思う。しかし、それなら会見自体をやめて、各社にFAXか何かで流せば十分だった。誰がアドバイスしたのかは把握していないが、あれは完全に失敗だ。私や、テレビマンをしている私の弟に一言相談があれば、もっとまともな内容になったと思う」と振り返る。

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 その上で恒泰氏は「これだけは申し上げたいが、私の父は本当に曲がったことが嫌いな人だ。小さい時から"嘘をつくな。ずるいことには近づくな"と言われてきた。石橋を叩いて渡らないのがうちの父だ。ちょっと危険を犯して何かやろうということには絶対に近寄らない人だ。少なくとも、贈賄の意図を持ってシンガポールに送金したということは、絶対にない。これは100%言い切れる」と主張。

 「父が起訴されるという前提でお話をされる方が多いが、私は起訴されないと思っている。なぜなら、犯罪の事実がない。3年前にもグチャグチャやったが、日本では第三者委員会も東京地検も犯罪の事実はないと確認した。シンガポールの司法当局とフランスの司法当局も調査の結果"問題ない"ということになっていた。近年、オリンピック誘致は大変厳しくなっていて、各国の招致委員会はIOCから認定を受けたコンサルティング会社を使わないといけない。今回問題になっているシンガポールのブラックタイディングス社も、大手広告代理店が推薦した認定されたコンサルティング会社の中の一社だった。その意思決定についても第三者委員会で明確になっているし、私の父が贈賄の意図を持って送金するということは構造的にあり得ない。今回それが蒸し返されたが、新事実がないし、疑惑が濃厚になったという説明もない。しかも会長の周りにいる関係者への取材もない。これは捜査の基本に反しているし、本気には見えない。だから、これは"外交メッセージ"だ。現にこうやって話題になっているように、予審の開始という"ファイティングポーズ"を取ることによって、日本に激震が走った。日本に一矢報いるというところがあったんじゃないかと思う。私の予想では、このまま何も進まないまま、1年、2年と経つのではないかと思う」。

 恒泰氏の訴えを受け、舛添氏は「私は都知事時代、お父さんと一緒に仕事をしてきた。あんなに人の良い方が、意図を持ってやるなんてことは全くないと思う。しかし、フランスから見たら"第三者委員会といっても、お手盛りじゃないか"みたいな感覚がある。使い道がなくなったゴーンは切ってもいい。ただ、日産が勝手にルノーから離れていってはいけないと考えている。ルノーと日産の手を握らせたままにするための圧力の材料として、使うことは十分にある。国家同士の戦いだから、甘く見てはいけない」と指摘していた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


▶次回『みのもんたのよるバズ!』は26日(土)夜8時から生放送

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 フランスの司法当局が東京大会招致を巡る贈賄の疑いで、JOC(日本オリンピック委員会)の竹田恆和会長を聴取したというニュースを受けて波紋が広がっています。
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