カルロス・ゴーン被告が再逮捕された日、フランスの司法当局が竹田恆和・JOC会長を事情聴取、刑事訴訟の手続きを開始した。
 捜査を担当するのは、シラク元大統領やサルコジ元大統領の汚職事件を担当した敏腕判事だといい、オリンピック招致委員会が海外の代理店に支払った約2億円のコンサルタント料の一部がセネガルのIOC関係者に賄賂として渡っていたという贈賄の疑いが持たれているのだ。
 竹田会長は会見で「私自身はブラックタイディングス社との契約に関し、いかなる意思決定プロセスにも関与していない」と否定。「フランス当局と全面的に協力することを通じて、自ら潔白を証明するべく、全力を尽くして参る」とした。しかし、質疑応答に応じることなく7分間で終了したこの会見に、会場に来ていた海外メディアの記者も「逆に疑惑を再燃させてしまった。IOCは彼が黙っていてくれた方が良かったと思っているはずだ」と指摘している。