1月22日、大相撲の元関脇で東十両・十二枚目枚目の豪風(39)が現役引退を表明した。今後は年寄「押尾川」を襲名し、後進の指導にあたる見込み。長きに渡って幕内の土俵を盛り上げた大ベテランの引退に、ネット上は労いの声で溢れかえった。
豪風は中央大学4年生時に学生横綱を獲得し、2002年の夏場所で幕下15枚目格付出として初土俵。身長171センチと体躯は小柄ながら、重心の低い押し相撲を武器に、デビューからわずか5場所で新入幕を果たした。その後は幕内で長く活躍。得意の突き・押しは年を経るごとに力強さを増し、2014年の名古屋場所の9日目、日馬富士戦でついに初金星を獲得した。35歳1カ月での初金星は年6場所制以降の最年長記録。続く秋場所では35歳2カ月という戦後最年長で新関脇に昇進した。
平成中期から後期にかけての大相撲を支えた豪風だったが、東十両・十二枚目で迎えた今場所は9日目まで1勝8敗。負け越しが決まり、十両残留が厳しい状況になっていた。
怪我にも強く、ほとんど休場をせずに幕内で安定した相撲を取り続けた大ベテランの引退に、相撲ファンからは労いの言葉が殺到。Twitter上には「長い間、本当にお疲れ様でした」「171cmと決して高くない上背にもかかわらず15年も幕内を務めあげたのは本当に凄い」「大好きでした」「引退しても秋田のヒーローだ!ありがとう!お疲れ様!」「39歳。関取で居続けたのはすごい以外の言葉がない」といった称賛が多数寄せられた。
また、一部の好角家からは「豪風引退か…なんかまたひとつ終わってしまったなぁ…」「同世代として寂しい」「稀勢の里、豪風とあの頃の力士がどんどんいなくなってしまう…」「1つの時代が終わろうとしている」といった惜別の声も。横綱・稀勢の里の引退と併せて、平成という時代の終わりを感じているファンも多かった。
それぞれ史上10位の幕内在位86場所、史上8位の幕内出場1257回という偉大な記録を残した豪風は、引退にあたって「悔いはひとつもない」とコメント。「自分の相撲道はこれからです」と指導者としての未来を見据えていた。
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