厚労省の毎月勤労統計の不適切調査問題を受けて、政府が政策立案などに使う特に重要なデータ「基幹統計」の点検を行ったところ、56のうち約4割にあたる22の統計、所管別では9省庁のうち7省で不適切な事案があることが発覚した。基幹統計の点検を行った総務省は「国民生活に直接影響を与える問題はなかった」としているが、立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は「国民生活に大きな生活は出ないと。出なきゃいいのか」と批判。
最も多い7つの統計で問題が発覚した国土交通省の石井啓大臣は「前例に従った業務執行に疑問を抱かず、整合性のチェックを怠っていたものと言わざるを得ない」とコメント、麻生太郎財務大臣も「甚だ遺憾だ。日本という国の信頼がそういった小さなところから崩れていくのは避けなければいかん」と指摘。総務省はさらに233の「一般統計」についても検証するとしている。
26日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した元総務大臣の原口一博衆議院議員は「政府は25日、実質賃金がマイナスだったことを認めた。つまり、みんな“21年5か月ぶりのすごい伸びだ”と思わされていた。麻生さんは他人事みたいに言っているが、彼が統計の段差を埋めろと指示したのが発端だ。ぜひ、大臣も含めて調査をしてほしい」と指摘。元厚生労働大臣の舛添要一氏に対し「経験者に聞きたいが、基幹統計が違っていると部下から報告があって、その日に総理に言わないという選択肢があるのかな」と尋ねると、舛添氏は「そういうことがあれば、徹底的に調べた上で発表するし、総理にも“発表します”と報告する。発表しないといけない。私が厚労大臣の時も知事の時にもそういう案件は上がってこなかったが、よく調べてみたら、500人以下の中小企業についても同じような不正があったという。東京都も含め、徹底的に各都道府県の現場を調べたらもっと出てくるかもしれない」と応じ、「民主党政権はもうちょっと頑張らないとダメだった。あんな途中でさっと潰れちゃうからこういうことになる。あと5、6年やっていれば膿が出た」とコメントした。
また、原口氏は「一番問題なのは、大臣も元データにあたっていないということだ。東京都の500人以上の企業って、本当に1500しかないのか?その3分の1をやったと言っているが、原票を持ってきなさいと。外国人技能実習生の問題の時、役人たちは最初、“高い賃金を求めて逃げた”と言っていた。しかし、2800のデータを書き写してみたら、あまりにもひどかった。最低賃金を割っていたり、虐待が起きたりしていた。自民党の国対委員長にも“あなた方はデータを見たのか”と言ったが、データを見ていなければ、(下方修正された賃金伸び率も)全て推計値だ」と指摘。「“なめられた”と言っていた総務省の役人がいたが、侍だ。ああやって本当のことを言う役人も出てきた。しかし、彼はあのヒアリングから2日間消えた。おそらく“出ていくな”という圧力があったと思う。総務省の官房長を呼んで“ああいう真面目な人を大事にしてくださいね”と言ったら、また出てきた。色々なドラマがある。人間はやっぱり正直でありたい。こういうトラブルのに時は正直に言うことが大事。“消えた年金”の時には、当時の自民党・政府が“長妻は嘘を言っている。原口が嘘を言っている”と言った。しかし実際は正しいことを言っていた。守秘義務がかかっているから言いにくいが、政権交代の時に、びっくりするようなことがいっぱいあった。司法取引のように“本当のことを言ったら罪を減じる”ということにして、長い間の垢を落とさないといけない」と訴えた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)