プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」2月1日の2回戦で、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)が、自身6勝目、チーム18勝目となる6万点台のトップを獲得。大逆転でのファイナルシリーズ進出に望みをつないだ。
対局者は起家から赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)。1回戦でトップを獲得した近藤のみ連闘となった。
ファイナルシリーズ進出に向けて奮闘していたTEAM雷電だったが、1月31日の2連戦、そして2月1日の1回戦とリーグ最終盤でまさかの3連続箱ラス。特に瀬戸熊直樹(連盟)の憔悴ぶりは激しく、1日の1回戦終了直後にはがっくりと肩を落としていた。2回戦開始前の時点でチームのマイナスポイントは300以上。解説の内川幸太郎(連盟)も「残り7戦で5回はトップを取らないと厳しいです」と語るほど追い込まれた状況で、萩原が対局場に姿を現した。
チーム状態はまさにどん底。しかし、萩原の心はまったく折れていなかった。「目の前の1牌1牌に集中して、自分たちの麻雀でトップを取る」と原点に立ち返って対局に臨むと、迎えた東4局。園田からリーチが入る中、ネックになっていた7索を引いた萩原は2・5索待ちで気迫の追っかけリーチ。終盤に2索をツモり、リーチ・ツモ・平和・ドラ2・赤の1万2000点(+供託1000点)でラス目から一気にトップ目に浮上した。
近藤との激しいトップ争いの中で迎えた南3局の親番、萩原は「どこか無の境地のようだった」と“ゾーン”に突入した。近藤から三・六万待ちのリーチがかかる中、七万単騎待ちに構えた萩原に松本が差し込み気味の放銃。東・赤の3900点(+供託1000点)で流れをつかむと、続く1本場では園田、松本との3軒リーチ対決を制してリーチ・ドラでふたたび3900点(+300点、供託2000点)を加点。止まらない萩原は2本場でもソウズの4面張を園田からアガり、タンヤオ・ドラの2900点(+600点)で後続との差を広げていった。
とどめは南3局3本場。どこまでも加点していくかのような姿勢で配牌からまっすぐに手を伸ばした萩原は、8巡目に絶好の3索引きから3・6索待ちで迷わずリーチを宣言。すると近藤の一発消しの鳴きでずれたツモで6索を引くという天運を見せつけ、リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・赤・ドラ2の1万8000点(+900点)で6万6200点まで点棒を積み上げた。
萩原は自己最高となる+83.2ポイントのトップを獲得。TEAM雷電にとって、崖っぷちの状況から復活する起死回生の1勝となった。それでもなおファイナル進出には厳しい条件が残されているものの、萩原は試合後のインタビューで「まったく諦めていません。奇跡だとも思わない」と繰り返し断言。解説の内川も「このトップは大きい。ポイント的には残り6戦3勝でもファイナルに進めるかもしれません」とTEAM雷電の大逆転の可能性を示唆していた。
最後にはおなじみのフレーズにアレンジを加えて「雷電の麻雀は、そして、この後のMリーグは、最高に面白いんです!」と決めポーズを披露した萩原。奇跡を実現するスターの大活躍に、視聴者からは「今日の萩原は強かった」「ゾーンに入ってたね」「カッコ良すぎるわ」「やっぱり主人公だ」といった賛辞が絶え間なく寄せられていた。
【2回戦結果】
1着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)6万3200点/+83.2
2着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)3万4700点/+14.7
3着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)1200点/▲38.8
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)900点/▲59.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【2月1日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +358.0(72/80)
2位 赤坂ドリブンズ +89.9(74/80)
3位 U-NEXT Pirates +1.1(72/80)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲44.1(74/80)
5位 渋谷ABEMAS ▲82.1(72/80)
6位 セガサミーフェニックス ▲102.7(74/80)
7位 TEAM雷電 ▲220.1(74/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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