パンチ、蹴りに加え投げ技、スタンディングでの絞め・関節技も認められた“立ち技総合格闘技”シュートボクシングのエースとして活躍しているのが海人。まだ21歳と若い海人だが、強豪を次々と撃破。昨年は世界トーナメントS-cup優勝も果たした。立ち技65kg級のトップ戦線に君臨するファイターである。
昨年はRIZINにも出場、抜群の戦績を収めた海人だが、たった一つ、敗北を喫したのがムエタイの殿堂ラジャダムナンスタジアムのチャンピオン、チャムアトーン。やはりムエタイのレベルは高く、それに挑むのは立ち技格闘家の宿命と言っていい。
海人は今年の第1戦となる、2月11日のシュートボクシング後楽園ホール大会でも、ムエタイ戦士と対戦した。元ルンピニースタジアム王者、現在はラジャダムナンのランカーであるポンシリー・ポーシリポンだ。
ムエタイの技巧、とりわけ蹴り技や首相撲に苦しむ選手は多いが、海人はこの試合でポテンシャルの違いを見せつけた。序盤から常に前に出て攻撃。左ボディフックを効果的にヒットすると強烈な右ローも。2ラウンドの時点でポンシリーの足が流れ、明らかなダメージが見て取れた。
ポンシリーもスピードのあるミドルキックを打っていくのだが、すぐさま海人が蹴り返すためペースを奪うまでには至らず。4ラウンドにはポンシリーが左右ミドルで反撃したが、このラウンド終盤、海人も右のパンチをクリーンヒットさせた。最終5ラウンドも海人のペースで試合が進み、判定も文句なしの3-0。海人の完勝と言っていい内容だった。
しかし試合後の海人は「しょっぱい試合になって反省してます。もっともっと強くなります」。内容で圧倒していたからこそ、ノックアウトでフィニッシュしたかったという思いが強かったようだ。勝っただけでは納得できないのが、エースのエースたる理由。海人の志の高さも感じられる試合となった。
(C)AbemaTV