2月16日タイ・バンコクで開催される総合格闘技「ONEチャンピオンシップ」の大会「ONE: CLASH OF LEGENDS」。日本からは竹中大地 、上久保周哉、中原由貴の3選手が参戦することで注目が集まっているが、カード発表の際に女子のプレリムファイト・アトム級に日本人の父をルーツに持つタイ人選手リカ・イシゲが登場した。
石毛里佳という日本人名をもつ彼女は生まれて育ちもタイ・バンコク。これまでのONEでの戦績は6戦して4勝2敗で、直近では昨年10月にはミャンマーの女子ボクシング王者・ボジェナ・アントニヤー(ミャンマー)戦で、序盤の打撃戦で打ち勝ち、寝技でも圧倒し、バックからの豪快な連打と肘で鮮烈なTKO勝利を収めている。
2017年の参戦以来、その美しいルックスから「Tiny Doll」のニックネームで親しまれ、今回のタイ大会では、ONE公式YouTubeでの特集が組まれるなど、ONEの女子のタイ代表として華々しい成功を収めているが、その人生についてこれまでも大きくクローズアップされてきた。
幼年期には日本人とタイ人のハーフということでイジメにあったことを告白、自らの身を守り精神力をつける理由で格闘技の世界に身を投じたという。空手、柔術、合気道などを追求しプロの格闘家となるという一連のストーリーは、3月に日本でONEデビューを飾る元UFC王者・マイティマウスことデメトリアス・ジョンソンの成功ストーリーとも重なる。
タイでのONEチャンピオンシップの盛り上がりを象徴するように、今回の大会前には、タイのMMAのパイオニアでイシゲの師匠にあたるシャノン・ウィラチャイと観光ガイド役を務めるなど、開催地の魅力を伝えるナビゲーターとしても引っ張りだこだ。
そんなイシゲの対戦相手はカンボジアのノウ・スレイ・ポヴ(Nou Srey Pov)。カンボジアの立ち技格闘技クン・クメールの王者で、ONEチャンピオンシップ初見参となる。地元の英雄として女子年間大賞を受賞、24歳にして91勝8敗2分という圧倒的なスコアからも過去最強の対戦相手といわれている。
今回のタイ大会に向けてプーケットで合宿したというイシゲは、打撃、レスリング、グランドワークなどを磨き、現地でブラジリアン柔術の黒帯の師範、レスリングコーチなどともに、この試合に向けムエタイ選手などを想定したゲームプランの準備をしたと語っている。
立ち技系の対戦相手に序盤からテイクダウンを奪い主導権を奪えるかが試合の鍵を握りそうだが、タイのローカルヒロインとして大注目されているイシゲ、今後の日本人女子選手とのアトム級戦線での対戦など盛り上がりにも注目したい。
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