将棋の王将戦七番勝負第4局が2月24、25日の2日間、沖縄県那覇市の琉球新報本社ビルで行われ、挑戦者の渡辺明棋王(34)が、久保利明王将(43)を96手で下し、同シリーズ4連勝でタイトルを奪取した。渡辺棋王の王将位獲得は、5期ぶり通算3期目。8つあるタイトルのうち、複数冠は豊島将之二冠(28)と、渡辺新二冠の2人となった。
渡辺棋王は昨期、順位戦A級からB級1組に降級したが、今期はここまで11戦全勝で既に昇級を決定。公式戦15連勝も達成するなど絶好調で、前日までの今期の成績は35勝9敗、勝率.795と、トップ棋士との対局が続く中で、8割近い勝率を残していた。
王将戦七番勝負では、先手番となった第1局から順調に勝ち進めると、第4局でも快勝。王将戦としては、2004年度に羽生善治二冠(当時)が森内俊之王将(当時)に4連勝で奪取して以来の快記録となった。
将棋界の8大タイトルは一時、8人が1つずつ持ち合う群雄割拠の状態に突入したが、今期、豊島二冠が一気に2つのタイトルを奪取。渡辺棋王は、棋王戦五番勝負でも2勝0敗で防衛に王手をかけており、二冠維持が濃厚の状況となっている。
(写真提供:日本将棋連盟)