将棋の竜王戦4組ランキング戦が3月27日に行われ、藤井聡太七段(16)が中田宏樹八段(54)に110手で勝利し、今年度の最終戦を白星で飾った。藤井七段の年度成績は、53局 で45勝8敗、勝率0.849(未放映のテレビ対局を含む)に。歴代単独3位となる高勝率で、2年連続の勝率一位賞を確定させた。
藤井七段は、実施的なデビュー年度となった2017年度で、73局、61勝12敗という成績で最多対局賞、最多勝利賞、さらに当時の歴代4位タイとなる勝率0.8356で勝率一位賞も獲得。年度またぎの29連勝と合わせて、部門4冠を完全制覇した。
今年度は、段位が上がったことによる若手棋戦からの“卒業”や、二次予選、本戦からの出場になったことで、対局数は20局減少したが、トップ棋士の対戦が増えた中でも勝率は上昇。昨年度を超える高勝率を残して、改めて現在の棋界でトップクラスの位置にいることを示すことになった。この日の対局は、終盤まで劣勢と見られていたが、お互いが持ち時間を使い切った最終盤で大逆転勝ち。対局後は「苦しい戦いが続きました。次も全力を尽くしていければと思います」とコメント。歴代3位の勝率で今年度を終えたことには「今年度も敗れてしまった対局や、トップ棋士との力の差を感じることも多かったんですが、1年間自分なりに戦っていけたかなと思います」と振り返った。
この勝利で、藤井七段は3期連続でのランキング戦優勝、決勝トーナメントに一歩前進。あと2勝すれば3期連続でのランキング戦優勝と決勝トーナメント出場、3組昇級を果たすことになる。6、5、4組の3期連続優勝となった場合は、、2011~2013年度の永瀬拓矢七段(26)以来2人目の快挙。年度の勝利数では、45勝で佐々木大地五段(23)と並んでいるが、佐々木五段が年度内にテレビ棋戦の対局を残しており、この結果によって順位が確定する。
竜王戦は1~6組に分かれてランキング戦が実施され、1組は成績上位5人、2組は上位2人までが決勝トーナメントに出場(3~6組は優勝者1人)。決勝トーナメントでは、上位組ほど挑戦権獲得に近い、変則トーナメントで行われる。現在のタイトル保持者は広瀬章人竜王(32)。
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