「アジアは“まだ見ぬ最強”が眠る場所」エディ・アルバレス、11年ぶりに日本でファイトに「ここには恩がある」
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 ONE Championship初の日本大会(3月31日、両国国技館)において久しぶりに日本で試合を行うのがエディ・アルバレスだ。かつてDREAMで活躍し、その後ベラトールUFCでチャンピオンに。アグレッシブな闘いで日本にもファンの多いアルバレスは、ONE初参戦となる今大会でライト級トーナメント1回戦に臨む。対戦するのはロシアのティモフィ・ナシューヒン。新たな戦場にONEを選んだのはなぜか。インタビューすると、アルバレスの格闘技に対する深い考えが浮かび上がってきた。

――久しぶりの日本での試合ですね。

アルバレス 11年ぶりだよ。もっと前、日本での最初の試合はMARSの両国大会だった。日本には恩がいっぱいあるね。俺はこの国で名を上げたんだ。

――特に印象に残っている試合は?

アルバレス やっぱりDREAMでのヨアキム・ハンセンとの試合だね。

――本当に大激闘でした。

アルバレス 凄い試合ができたと思うし、スタンディングオベーションをもらった。外国人同士の試合でそういうことが起きたんだ。歴史を作ることができたと思う。実はあのあと、ヨアキムと一緒に食事に行ったんだよ。そういう思い出もあるね。

――あの時もライト級GPでしたね。

アルバレス まさに運命だね(笑)。

――DREAMの後、ベラトールとUFCで大活躍されました。ご自分ではどのような変化、成長を感じていますか?

アルバレス 一番大きいのは経験だね。経験を積むことで、目的意識もはっきりしてくるんだ。闘う動機づけが強くなる。

――「これだけベルトも巻いたし、もういいんじゃないか」とはならないですか。

アルバレス そこでONEだよ。ONEに来たのは、今までとは違う経験をしたいからだ。自分を安全地帯から出したかった。成長というのは、安全地帯から出ることで得られるものだからね。

――挑戦を続けることが大事だと。

アルバレス 確かに俺はこれまでにもベルトを獲得してきたし、たくさんの勝利を挙げてきた。でもそこで満足しないで、求め続けることが大事だね。ONEで闘うことは成長のチャンスだし、ここでまた歴史を築いていきたい。アメリカのファンにONEという新しいプロモーションを紹介するきっかけにもなるよね。

――アルバレス選手やデメトリアス・ジョンソン選手が登場するとなれば、アメリカのファンも注目しますよね。

アルバレス ONEのアメリカでの知名度は、まだそこまでじゃない。で、ファンというのは混乱してしまいがちなんだ。「誰が一番強いのか」と「誰が有名なのか」をね。実はその2つには、まったく関連はないんだ。

――有名じゃなくても最強という選手がいるかもしれないと。

アルバレス そう。「最強だけど無名」、「知名度はないけどベスト」ということはありうるんだ。その選手の存在が発見されてないだけ、とかね。ONEやアジアには、そういう可能性があると思う。「まだ見ぬ最強が眠る場所」という感じかな。そこに光を当てるために、俺はONEに来たんだ。

――UFCの各階級王者が最強だとは限らない、と。

アルバレス 別の可能性は充分あるよね。それを証明するための「使者」が俺なのかなと思うよ。これまでいろんなプロモーションで闘ってきて、チャンピオンにもなった。UFCでもね。でもベルトっていうのはいろんな団体にある。俺がONEで求めてるのは“真実”だよ。勝っても負けてもいい、強い相手と闘って、いま言ったような“真実”を知りたいし示したい。“真実”をごまかしたり、操作したりするのは嫌だからね。そして、その真実を多くの人に知ってほしい。今はまず、その舞台としてトーナメントがあるよね。

――勝ち上がっていけば、選手の知名度もどんどん上がるでしょうね。

アルバレス トーナメントだから1試合ずつ勝ち上がっていかなきゃいけない。それは俺でも、若い選手でも一緒なんだ。そこが大事だね。俺に関して言えば、GPトーナメントをDREAMで経験してるという強みもあるね。

――トーナメントは、普段のワンマッチとは違いますか。

アルバレス 1日1試合ではあっても、やっぱりトーナメントはマラソンなんだ。スプリントじゃない。DREAMのライト級GPでも、準決勝で俺に負けたヨアキムが最終的に優勝してるよね。

――トーナメントが終わるまで、負傷だったり「まさかの敗北」があってはいけないわけですよね。

アルバレス 安定した強さ、それに頭を使うことも大事になってくるね。

――頭を使うと言えば、ファン公開セミナーでは独創的なコンビネーションや蹴り足をキャッチしてのバックエルボーを指導されていましたね。

アルバレス パンチは僕が考えたものだね。

――新しい動きを考えるのは得意なほうですか。

アルバレス 俺が一番得意なのはそこだと思う。マーシャルアーツというくらいで、アートの部分だよね。アイディアを吸収して自分のものにする。そこに自分のアイディアを足していく。そういう作業こそ格闘技なんだと思う。

――ONEから話は離れますが、アルバレス選手がファイターであることと、フィラデルフィア出身であることには関係があると感じていますか?

アルバレス 大いにあるね。俺が育ったのはファイターを育てる環境というか「闘えない男なんかいられない」っていう土地だったからね。

――フィラデルフィアだけに、『ロッキー』の1作目みたいな感じですか。

アルバレス そうそう。『ロッキー』は俺の人生ともの凄く重なるね。ボクシングMMAの違いはあるけど。ロッキー・バルボアと闘ったら、俺はチョーク極めるよ(笑)。

(C)AbemaTV

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