将棋の名人戦七番勝負第1局の指し直し局が4月11日に行われ、挑戦者の豊島将之二冠(28)が、佐藤天彦名人(31)を73手で下し、初挑戦となる名人戦で初勝利を飾った。
前日に千日手が成立したことで、午前9時から豊島二冠が先手番となった指し直し局が始まったが、中盤で約2時間に及ぶ大長考。終盤でじっくりとリードを築き上げると、そこからは逃さず寄せきった。昨年度、初タイトルから一気に二冠となり、初の名人挑戦も手にした若き実力者が、初の大舞台でも冷静な指し回しを見せた。
対局後、取材に応じた豊島二冠は「夕食休憩のところでは、忙しいかなと思ったんですが。(1勝に)時間の流れとか普段と違った第1局になりましたけど、名人戦の雰囲気は分かったので、内容をよくしていきたいです」と淡々と振り返った。また、敗れた佐藤名人は「千日手指し直しという自分が経験したタイトル戦でも初めてのことになりまして、結果は残念でしたが、積極的に指せたところもあったと思うので、また気を取り直して頑張りたいと思います」と切り替えていた。第2局は4月22、23日、山口県萩市の「松蔭神社 立志殿」で行われる。先手は豊島二冠。
名人戦七番勝負は持ち時間各9時間の2日制。AbemaTVでは同シリーズを終局まで生放送する。
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