12日、AbemaTVにて『番組制作権争奪リアリティーショー クリエイターズファンディング』の#1が放送され、映画監督の山崎貴氏が作品を作る上でのこだわりを明かす場面があった。
この番組は、世界に向けて発信できるヒットコンテンツを生み出すことを目指し、AbemaTVと経済産業省がタッグを組んだクリエイター発掘リアリティーショー。書類選考で選ばれた9名のクリエイターたちは、AbemaTVでの番組放送権と制作費300万円を賭けて競い合う。9名のクリエイターは3つのブロックに分かれて戦い、各ブロックの勝者同士が最終決戦で激突する。予選では3分以内の予告動画を披露。制作費として30万円がそれぞれに渡された。
予選Aブロックの最後に登場したのは36歳の映画助監督・福嶋賢治。映画とタバコをこよなく愛する男は、週末には欠かさず映画館に足を運ぶという。
大学を卒業して10年。数々の映画に携わってきた福嶋は、最近では安田顕主演の映画『愛しのアイリーン』にも助監督として参加した。自らも監督・脚本・主演として3本の短編映画を制作。すべてを一人でこなした。
そんな映画人・福嶋が今作で描くテーマは「美術をなるべく廃したちゃんとしたドラマ」。美術セットを使わないため撮影のロケーションが肝となる。
福嶋はお気に入りのロケーションを探すべく街をうろうろ。ある日はロケハンだけに6時間を費やした。
いよいよ撮影日。一見すると文化祭のようにも見える衣装を身にまとった演者が撮影現場に集結。しかし福嶋と出演者のやりとりは真剣そのものだ。
続いて手術室での撮影と告げられスタッフが向かったのはなんとビルの屋上。そこでは謎深まる”福嶋ワールド”が展開されていた。
またあるロケ日が雨天だったため、スタッフが「雨降っちゃいましたね」と声をかけると、福嶋は「雨、降らしたんですよ。台本に雨って書いたんです」と独特な切り返しを見せる。このやりとりを見ていた設楽は「やばいな。俺、友達になれないかもな(笑)。でも確固たる自分の世界があるんだろうな」と笑っていた。福嶋の人となりを現すVTRを見終えて、見届け人として出演していた小沢一敬(スピードワゴン)も「日本の映画界って今すごい良いじゃない。綺麗な映画も多くて若者たちが”キュン”とするモノも増えているけど、元々日本って屈折した映画が多かったことを思い出してくれたというか」とコメントしていた。
完成した福嶋の作品はどこかシュールさが漂っていた。映像を見終えて設楽は「これは難解だよ」と発し、小沢もそれに同調するようなコメントをした。このやり取りを受け、福嶋は「3分だと、ややこしいというか風変わりな感じなんですけど、本編ではもうちょっとストーリーが見えやすいように作ります。でもやはり3分だと濃すぎたかもですね」と話していた。
審査員を務めるのは山崎氏、映画プロデューサー・石井朋彦氏、そして脚本家・旺季志ずか氏といった面々。採点基準は「企画自体が面白いかどうか?」の企画力10点、「映像を効果的に撮影・演出できているか?」の表現力10点、「3分の予告が魅力的か?」の構成力10点。1人が持つ点は30点までで、90点が最高得点となる。
・山崎貴氏 合計20点(※内訳 企画力7点、表現力7点、トレーラーの構成力6点)
・石井朋彦氏 合計22点(※内訳 企画力7点、表現力7点、トレーラーの構成力8点)
・旺季志ずか氏 合計23点(※内訳 企画力7点、表現力9点、トレーラーの構成力7点)
・福嶋賢治 合計65点
山崎氏は「表現は新しい感じがしました」と言いつつも「けど、ごめん。俺にはストーリーがわからなかった」と作品に対し正直な感想を述べる。そのあとで、「どちらかというとわかりやすいものを作らなきゃダメと思いながら創作しているタイプなので。こういうのも映画の多様性を生んでいるはずだから絶対に必要なんだけど。もうちょっとわかりやすいとよかった」と映画監督として大切にしている部分を明かしつつ、コメントした。残念ながら福嶋はこの時点で脱落。Aブロックから最終審査に進むのは、67点で同点だった森峻介か細見佑樹に絞られ、審査員3名による決選投票が行われた。
決選投票では山崎氏は細見に、石井氏は森に、最後の旺季氏は細見に投票し、見事『クラフト家 不思議な発明』の予告映像を作った35歳のコマ撮りアニメーター主婦が最終審査へと駒を進めた。勝利が決まった瞬間、細見は倒れこみながらよろこびをあらわにした。
なお、このAブロックの激闘の様子はAbemaビデオにて無料配信中。見逃してしまったという方はぜひチェックを。また、波乱のBブロックは4月19日21時からオンエアされる。この先の展開が気になる方は、放送をお見逃しなく。





















