タイで先月29日、不法就労の疑いで日本人15人が逮捕された。彼らはタイ屈指のリゾート地・パタヤにある5LDKの豪邸を拠点に、振り込め詐欺の電話をかける“かけ子”をしていたとみられている。
AbemaTV『けやきヒルズ』は、タイ警察が押収した150枚以上に及ぶ内部資料を入手することができた。そこには、被害者を騙す巧妙で詳細な手口が記されていた。
マニュアルによると、まず詐欺グループが架空請求の電話をかける。相手が「知らない」と答えた場合、「覚えがないとのことですが、端末の個体番号とIPアドレスの2点の確認が取れています」と脅す。
それでも相手が「知らない」という場合には、「第三者、例えば小さなお子様、友人、職場の方など、お客様の端末を扱われる可能性などありますか?」と、周りの人が知らないうちに登録しているかもしれないと不安を煽るような受け答えをするよう書かれている。
そして、登録した場合が「ある」と答えた場合と「ない」と答えた場合の対処法が書かれている。
まず、「ある」と答えた被害者に対しては、「気づかないうちに長期滞納状態になっています。いったんお支払いが必要ですが、返金制度を適用し95%の金額を返金できるので、ご負担はなく問題を解決できます」と返金をにおわせ、料金の支払いを迫るよう書かれている。
一方、「ない」と答えた被害者に対しては、「ウイルス、ハッキングをされて自動的に登録状態になっています。いったんご精算は必要になりますが、アクセス解析を行い、返金制度を適用して解決を行うので、いったお支払いの方に移らせてください」と、こちらも後で返金されると謳い安心させる。
いずれにしても「いったんは払え」と要求され、払ってしまったら返金はない。
また、押収されたマニュアルには、騙す手口以外にも様々なことが書かれていた。被害者は一人ひとり特徴がまとめられ、「学生、アルバイト、かなりバカ、素直」「長崎のド田舎、看護士1年目、超素直、ゆるキャラ、良い子」「預金足りなかった為キャッシング枠利用」など具体的に書かれ、「フェイスブック、インスタ関連だと思ってます。アダルト押しです」と落とし方が書かれたものも。
また、電話をかけた際に「裁判でよい」「家族にブロックされている」「なんでもして」と答えた人には「×印」をつけ、それ以上は電話をしなかったという。
さらに被害者だけではなく、詐欺師側も個人面談が行われ、評価メモには「ヤル気有 新人には負けたくない」「ヤル気有 ただ学びに来たのであって金では無い」などといったことが記載されていた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)