DDTの象徴=アイコンとも言われる人気選手、男色ディーノが新団体を旗揚げすることになった。その名も「成り上がり」。プロレスだが、アマチュアの団体となる。
もともとこの世界には学生プロレスや社会人プロレスもあった。こうしたアマチュア団体は全国各地に存在し、アンドレザ・ジャイアントパンダを生んだ新根室プロレスもその一つだ。プロ団体が一般向けのプロレス教室(サークル)を運営することもある。
ディーノのルーツも学生プロレスで、学生時代のリングネームのままプロで活躍している珍しいタイプ。それだけに、アマチュアとしてプロレスに取り組むことへのシンパシーも強いのだろう。
「自分がアマチュアだという自覚を持ってやっていただけるのであれば」とプロ選手の参加も可能という方針を打ち出してもいる。自分はアマチュアだという自覚のあるプロというのも凄いが、いないわけでもなさそうなのがまた凄い。
活動にあたってDDTの道場を使うなど活用できるところはしつつ、DDTの新ブランドということではなく「基本的に非営利でやっていきます」とディーノ。選手は現在、DDT公式サイトで募集中。ディーノは「マストではないがあってほしい」条件として「一度以上五度未満、夢破れたことがある方」を挙げている。
ディーノ曰く「夢破れた人たちの輝きは尊い」。プロレスを「さらけ出すもの」とするディーノは、この新団体で「這い上がっていく、成り上がっていく姿を見せたい」。「成り上がり」の形がどういうものかは選手次第だという。
プロレスを通して破れた夢にもう一度向かっていくもよし。プロレスから新たな夢を見つけるのもよし。逆に言えば、この団体ではプロレスをすること、(アマチュア)プロレスラーになることがゴールではないわけだ。アマチュアであり、プロレス自体をゴールとしないプロレス団体。試合以上にディーノという男の“プロレス観”が伝わってきそうでもある「成り上がり」。30日まで選手候補を募集中だ。
写真:(C)DDTプロレスリング
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