東京都渋谷区を中心に昨年末から始まった傘シェアリングサービス「アイカサ」。今月17日(水)には京急品川駅周辺での設置も発表されたこのサービスに関して、“返却率100%”が今、中国のネットで「日本人のモラルは素晴らしい」と称賛され、話題を集めている。
一日70円で傘をシェアできるアイカサを運営するネイチャーイノベーショングループの黒須健取締役は、このサービスについて「レンタルDVDの延滞料金のような形で課金が続いていくなど、返さないことのデメリットをしっかりと設けている。さらに登録していないと使えないので盗まれることもない」と“返却率100%”を実現させている秘訣を明かした。
しかし、有料で傘シェアリングを行う「アイカサ」とは異なり、無料で傘を貸し出す自治体のサービスは各地で破綻をきたしているのが実情だ。北海道の函館では、傘の返却率が悪すぎてサービス自体が廃止。名古屋市営地下鉄では、これまで寄贈された13万本近くの大半が未返却だという(未返却分の傘は13万6000本)。60年ほど前から「友愛の傘」として名古屋市営地下鉄の利用者に傘を寄贈している名古屋地下鉄地下街連合会の奥村豊会長は「5年ごとに贈呈させていただいているが、傘が紛失しているというのは自然な減り具合ではないか」と話し、仕方のないことだと理解を示している。
こうした現実を知った中国のネットでは、当初の称賛の声から一転して「なんだか安心した」という共感の声まで広まっている。
この少し残念な状況に千原ジュニアは「どこかのスポンサーが傘にCMを書いておけば、宣伝になってwin-winになる」と話すと、元日経新聞記者で作家の鈴木涼美氏は「傘は社会の公共物でいいのでは」と応じていた。(AbemaTV『Abema的ニュースショーより』)
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中国のネットで称賛「日本人のモラルは素晴らしい」が一転「安心した」 傘シェアリングの“残念”な実情