(勝利した竹下組。元号またぎマッチには、なんとなく年越しプロレス的な雰囲気もあった)
どこかの団体がやるんだろうと思われていたが、やはりDDTがやった。年越しプロレスならぬ、元号またぎプロレスである。
その名もズバリ『平成最後、令和最初のプロレス』。都内・DDT道場でのワンマッチで、動画配信サービス『DDT UNIVERSE』生中継用の無観客試合だ。いわば“企画もの”ではあるのだが、そこでこそ本領を発揮するのがDDTである。マッチメイクされた10人タッグマッチには、豪華かつ異色のメンバーが揃った。
青コーナーは、竹下幸之介(DDT)&HARASHIMA(DDT)&大家健(ガンバレ☆プロレス)&坂崎ユカ(東京女子プロレス)&阿部史典(プロレスリングBASARA)。DTグループの全ブランドから選手が集まった連合チームだ。
(令和になって最初の攻撃は山下と中津のサンドイッチ式キック)
対するは各ブランドのチャンピオン5人。遠藤哲哉(DDT。KO-D無差別級王者)&アントーニオ本多(DDT EXTREME級王者)&勝村周一朗(ガンプロ。インディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級王者)&山下実優(東京女子。TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王者、SHINE王者)&中津良太(BASARA。ユニオンMAX王者)。5人でベルト6本。青コーナー側にもタッグベルトを持っている選手がいるから、トータルのベルト数はさらに多い。
試合では、普段は見られないマッチアップが次々と実現していった。DDTのベテラン、HARASHIMAと元修斗世界王者の勝村がミドルキックの打ち合いを展開。DDT・竹下とBASARA・中津の新世代エース対決があったかと思えば、女子2冠王の山下は大家を蹴りまくった。さらに、アントンが徹夜で考えた昔話、おなじみ「ごんぎつね」は平成を総括する特別編。
(敗れたチャンピオンチームだがDDTグループのファンにはたまらないメンバー)
それぞれがやりたいようにやりまくって持ち味を発揮する中、日付をまたいで令和を迎えると、中津と山下が竹下にダブルでキック。アントンと竹下がお互いにとって特別な技と言えるバイオニック・エルボーで競り合う場面も見られた。
最後は「チャンピオンじゃないチーム」が怒涛の連続攻撃を見せ、竹下が必殺技ファブルでアントンをフォール。試合後はカメラの向こうのファンに、選手たちが令和の意気込みを語っていった。
ここで竹下は、KO-D無差別級王座奪還どころか「ここにあるベルト全部巻きますよ」と宣言。女子のベルトもあるのだが「なんとかなります!」と言い切って中継はエンディングに。令和のDDTはエース・竹下の勝利とデタラメ発言でその幕を開けたのだった。
文・橋本宗洋
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