12日、歌舞伎俳優の市川海老蔵が、来る8月の公演『市川會 三代襲名披露』の制作発表を行い、長女・麗禾(れいか)ちゃんの「四代目 市川ぼたん」としての襲名公演、初舞台を踏む成長を喜んだ。
7歳の麗禾ちゃんと自身の幼少期を比較。「まったく違う。私の場合は、稽古はしない、勉強はしない、学校にも行かず、歌舞伎座も行きたくないと言っていて、4拍子揃っていた」と回想。「私と全部逆転しているのは、麻央のDNAのおかげ。喜んでいると思います」と17年に死去した妻の小林麻央さん(享年34)に思いをはせた。
麗禾ちゃんは「この度、市川ぼたんの名跡を相続します。よろしくお願いいたします」としっかりとあいさつ。稽古に励む毎日は「楽しいです」と笑顔も見せた。
学校も稽古も「どっちも好き」という麗禾ちゃん。稽古を嫌がっていない様子について海老蔵は「私が小さいときは、引っ叩かれながら、涙ながらに稽古していた時代。嫌々稽古をやっていましたが、今はそういう時代でございません。楽しいと思っているところは、親として一安心です」と率直な思いを口にした。
来年5月、八代目 市川新之助の襲名が決まっている長男、6歳の勸玄くんのことも見守っていて「いろいろなことを仰る方もいるとは思いますが、楽しくやってもらうことを第一と考えています。厳しいこともさることながら、今は基礎をやっているのですが、嫌がられたらやらないわけです。親がいくら言っても、やらなかったら意味がないので、楽しんでやってもらっている」と方針を明かした。
学業への押し付けもないそうで「勉強しろとは言っていないです。私はあまり勉強しろと言わないです。まだ小学生ですから。自分がやるべき宿題とかは勝手にやっています。やらなかったら自分がいけなくなるわけですから。そこは、ちゃんとわかっているようです」と家庭の様子も話していた。
会見で発表されたのは、日本舞踊市川流の三代襲名披露となる記念公演(8月3日から、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、全13公演)。
その公演では、市川團十郎の妹で、現在、市川流の総代を務める二代目・市川紅梅(こうばい)が初代・市川壽紅(じゅこう)を、若手舞踊家として注目を集める市川團十郎の娘、三代目・市川ぼたんが四代目・市川翠扇(すいせん)を、また十一代目・市川海老蔵の娘、堀越麗禾(れいか)が四代目・市川ぼたんをそれぞれ襲名する。
演目は、長唄『寿式三番叟』、能楽・舞囃子『高砂』、『口上』、清元『玉兎』、長唄『羽根の禿』、長唄『京鹿子娘道成寺』を上演。海老蔵と勸玄くんも出演する。
テキスト・写真:野原誠治