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 DDTの頂点、KO-D無差別級王座を保持する遠藤哲哉の次の防衛戦は、現在のところ6月2日に決定している。舞台はDDTが四国で初めて開催するビッグマッチ、松山(アイテムえひめ)大会だ。この大会の挑戦者に、遠藤は坂口征夫を指名した。現在、行なわれているKING OF DDTトーナメント1回戦の敗者=遠藤曰く「雑魚」から、会見に乱入した坂口を選んだのだ。

 遠藤は初防衛戦(4.28後楽園ホール)の相手にも「DDTで一番弱い」という理由で大石真翔を指名。

しかし実際に楽な防衛だったかというと、そうではない。普段はコミカルな試合を担当することが多い大石だが、そのベースにはオールラウンドなテクニックがある。シングル王座挑戦、しかも後楽園大会のメインという大チャンスに、大石はインサイドワーク、グラウンドでのサブミッション、さらにタッグパートナーである男色ディーノや妻で元レスラー・(大畠)美咲の技も繰り出し、そのポテンシャルを全開にした。

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 試合後には「何年かかってもベルトにたどりつく」と宣言した大石。遠藤からの指名は、DDTの名バイプレイヤーに新たな覚醒をもたらしたと言っていい。

 長く続いたユニット・酒呑童子での活動に一区切りつけたばかりの坂口も、前哨戦で遠藤と激しい闘いを展開。遠藤が属するユニット・DAMNATIONの“カリスマ”佐々木大輔を失神KOに追い込む場面もあった。

こうしてDDT戦線を活性化させつつ、「世の中には2種類の人間がいる。KO-D無差別級王者の俺と、それ以外」という決めゼリフを浸透させにかかる遠藤。最近は戴冠を果たした地・ニューヨークに住んでいると言い張っており、その辺も含めて王者の自由さをフルに味わっているようだ。

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 ただ、遠藤を狙っているのは坂口だけではない。現在、DDTでは「いつでもどこでも挑戦権」が発動中。遠藤自身も「いつどこ権」行使でタイトルを奪取しているが、挑戦権はあと2つ残されているのだ。

 そのうちの一つを持つ石井慧介(ガンバレ☆プロレス)は、5.19後楽園大会での権利行使、すなわち王座挑戦を予告。遠藤は当日、通常のカード(マッド・ポーリーと組んで坂口&渡瀬瑞基と対戦)をこなしつつ石井の挑戦に備えなくてはいけなくなった。

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 さらに7月15日には、夏のビッグマッチとして大田区総合体育館大会が待っている。そのメインはKO-D無差別級選手権。挑戦するのはKING OF DDTトーナメント優勝者だ。トーナメントの準決勝・決勝が行われるのも5.19後楽園。同じDAMNATIONの高尾蒼馬にしか興味がないという遠藤だが、誰が勝つにせよ準備はしておく必要がある。

 石井に勝ち、坂口を下したとしてもトーナメント優勝者が控えているという状況は、さながら“遠藤包囲網”。DDT最高のハイフライヤーは、王者としての試練を迎えようとしている。

文・橋本宗洋

(C)DDTプロレスリング

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