DDT恒例のトーナメント「KING OF DDT」が、5月19日の後楽園ホール大会でいよいよファイナル(準決勝・決勝)を迎える。
優勝者は夏のビッグマッチでKO-D無差別級王座に挑戦、今年はその舞台が団体初進出の大田区総合体育館(7月15日)となる。大会は全席無料のスペシャルイベントで、そのメインでタイトルマッチとなれば、いつも以上に注目されることになりそうだ。
準決勝のカードは竹下幸之介vs樋口和貞、HARASHIMAvs高尾蒼馬。竹下は2月の両国国技館大会で王座奪還に成功したものの4月のニューヨーク大会で陥落。狙うのはトーナメント優勝だけではなく、その先にある3度目の戴冠だ。
「最低でも優勝。格の違いを見せつける」
そう言ってトーナメントに臨んだ竹下は言葉通りの実力を発揮。準決勝の吉村直巳戦では、キャメルクラッチとスリーパーを合体させた「カバージョ2020」を初披露している。ここで新技を投入してくるあたりも気合いの表れだろう。
(大相撲出身の樋口との対戦が決まると、竹下は自ら蹲踞の姿勢で対峙)
対する樋口は初戴冠が期待される存在。これが4年ぶりのベスト4進出となる。過去にも竹下と激闘を展開している樋口は、大相撲出身で体格とパワーではDDTトップクラス。いつKO-D無差別のベルトを巻いてもいいだけの力を普段から発揮している。
それだけに、テーマとなるのは「あと一歩」の壁を破れるかどうか。「樋口はやりがいのある相手。でも負ける要素はない」と豪語する竹下を正面突破したい。
HARASHIMAは長くDDTを牽引してきたベテラン。KO-D無差別級王座戴冠9回は史上最多記録で、今回は「10タイムス王者」を目指す。今回のトーナメント、1回戦で敗れたHARASHIMAだが、5.6札幌大会で敗者復活バトルロイヤルに勝利し、同日の2回戦では前王者の佐々木大輔を下している。流れや勢いという意味では、最も“乗っている”のがHARASHIMAだ。
「これまで(両国国技館など)いろんなビッグマッチの初開催でメインをやってきた。今回の大田区も自分がメインに」とHARASHIMA。2年あまり王座から離れているだけに、そろそろ“エース復権”を果たしたい。
(HARASHIMAは敗者復活で勢いに乗る)
30歳、キャリア10年という節目の年を迎えているのが高尾。2009年の両国、すなわち夏のビッグマッチでデビューし、なおかつ今回の会場は地元の大田区。「大田区で生まれ、育った自分が大田区でベルトを巻く」と意気込む。
過去には全日本プロレス・世界ジュニア王座を獲得。実力は高く評価されながら、強く自己主張をするタイプではなかった。しかし昨年、組んでいたHARASHIMAを裏切って佐々木、遠藤哲哉と行動をともにすると、今年は2月の両国に至る流れで“大社長”高木三四郎、さらにはマット界のレジェンドである長与千種にもケンカを売った。
今トップに立たなければ後がない。そんな思いを感じさせる最近の高尾。もともとジントニックというフィニッシュ率の高い技を持っていたが、ここにきてリバースゴリースペシャルボムを使うようにもなっている。必殺技を二段構えにしての必勝態勢だ。ここ数年の実績でいえば竹下。トーナメント中の勢いならHARASHIMA。しかし樋口にも高尾にも“勝たなければならない理由”は充分にある。
現王者・遠藤はまだ防衛戦が控えているだけに、トーナメント優勝者=タイトル挑戦者が先に決まるのも夏のビッグマッチの特徴だ。王者を“待ち構える”ことができるため心理的に優位な面もあり、5.19後楽園の結果は重要な意味を持つことになる。
文・橋本宗洋
(C)AbemaTV
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5月19日11時30分より DDT「KING OF DDT 2019 the FINAL!!」