先月19日、東京都豊島区東池袋で飯塚幸三元院長(87)が運転する車が暴走して親子2人が死亡、10人が重軽傷を負う事故が発生した。この事故で昨日、胸の骨を折るなどして事故直後から入院していた飯塚元院長が退院し、任意の事情聴取を受けるため目白署へ出頭した。飯塚元院長は「アクセルペダルが戻らなかった」「何度かブレーキを踏んだが利かなかった」などと話しているという。
近年、相次ぐ高齢者の自動車事故で取り沙汰されることに「アクセルやブレーキの踏み間違え」がある。しかし、自動車事故の年齢層別の操作不適事故割合(平成16年~25年)データを見ると、75歳以上の高齢者層だけではなく、24歳以下の若年層にも操作不適事故は目立つ。これは運転そのものに不慣れなことが原因の一つとして指摘されている。高齢化や若者の車離れが進む今、自動車運転は過渡期に差し掛かっている。
フリーアナウンサーでタレント、一児の母である丸岡いずみ氏(47)は「3歳の女の子とお母さんが亡くなられてショックだ。遺族の方が会見を開かれて『仕事にも行けない』と話されていたが、その気持ちは分かる。加害者の方も杖をついて生活をしているくらいなら、なぜ運転をしたのか。周りの家族も止めるひと言が無かった結果、このような大惨事に至ってしまった」と無念さを滲ませた。
これに対して元長野県知事で作家の田中康夫氏(63)は「上級国民という言葉は造語だった。しかし大津の事故で会見を開いて号泣している園関係者を相手にする記者が正義だというのであれば、病院にいたこの方(飯塚元院長)は家族が声明を出すこともしなければ、メディアの側も文章で『今、どうなっているのか? どう思っているのか?』と記者クラブ全体で回答をもらっていない。(加害者を)いじめるということではなくて、皆がそれぞれ一歩踏み出さなければ、日本の報道って何? 正義って何? となってしまう。警察だってベッドの横で質問することはできたはずだ」と訴えた。
この事件を機に、高齢者による運転免許の自主返納が進んでいる。そのことについて元大王製紙会長の井川意向氏(54)は「一定の議論は必要だ」と前置きをしたうえで「75歳なのか、80歳なのか、人によって判断能力や運動能力は違うと言われるが、それを言ったら免許取得が可能になる18歳だって運動神経が鈍い人もいれば、逆に15歳だってできる人もいるだろう。なぜ、運転免許取得の年齢が一律で、返納の方は一律がダメなのか。公共交通機関の少ない地方のお年寄りは移動が大変だといわれるが、そこは行政がサポートしていくべき」と話した。
井川氏の意見に対して千原ジュニアが「そこをビシッと(一律に)切れないのは、やはり票をたくさん持っているからか」と投げかけると、井川氏は「大きいと思う。反発を受けたくないというのはわかるが、そのせいで他の方の命が犠牲になることが珍しいケースではなく普通になっては困る」と私見を述べた。
さらに「どうしてあの状態で免許更新がOKになったのか」と疑問を呈した田中氏は、自身の両親が長野県の軽井沢に住んでいることを例に挙げ「軽井沢のようなところでも公共交通機関は衰えてきており、買い物に行く人は全員車を持っている。では、車に乗ってはいけない人たちに対してどのような社会的サービスを提供するのか、配達なども含め考える必要がある」と話せば、以前、番組のロケで使用したという電動カートについて千原ジュニアは「電動カートは公道を走ることができる。どんだけべた踏みしても時速は20キロしか出ず、なおかつ加速までに一定時間を要する。田舎でどうしてもという高齢者は、これに乗ったらいい」と持論を展開した。
その意見に賛同した元日経新聞記者で作家の鈴木涼美氏(35)は「携帯電話に高齢者向けの“らくらくホン”があるように、自動車も時速30キロしか出ず、車体が柔らかい車に乗ればいい。なぜ、スピードが出る自動車に乗る必要があるのか」と疑問を呈していた。(AbemaTV『Abema的ニュースショー』より)
(C)AbemaTV
【見逃し視聴】
「運転免許取得は18歳一律、返納は任意」の是非
「行政が反発を恐れた結果、命が犠牲になっている」と元大王製紙会長・井川氏
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