5月20日放送のAbemaTV「給与明細」では、一大ブームを巻き起こすVTuber(バーチャルYouTuberの略。生身の人間ではなく、アニメのキャラクターとして動画配信を行うYouTuberのこと)のギャラ事情に迫った。
いまや「VTuber」で検索をかけると、7000体以上がヒットするほどの盛り上がりを見せている。美少女キャラクターがトークしたり、ゲームを実況プレイしたり、歌やダンスを披露するなどしており、トップVTuberの総再生回数はなんと2億1200万回を超える。有名企業に起用されて商品をPRしたり、県に公認されて観光地をPRしたりするVTuberまで現れている。男性が美少女キャラを演じる例も珍しくなく、そういうケースは、バーチャル美少女受肉を略して“バ美肉”と呼ばれるそうだ。
番組では、VTuberたちのギャラ事情に迫った。チャンネル登録者数100人足らずの新人・エイトは弾き語りで自慢の歌を披露するミュージシャンVTuberで、VTuber事業のために会社を設立したそう。古びた雑居ビルの1室が作業現場としており、7畳ほどの部屋でVR機材を使って3Dキャラクターを操作する様子も映し出された。キャラクターを操作する“中の人”を担当している井上勇人社長も登場したが、表情やカメラアングルなど中の人以外にも複数人が操作に携わっていることが明かされた。
VR機材10万円、キャラクター制作費1体80万~100万円(イラスト費、動画プログラム費)、高機能PC約30万円と、VTuberデビューのためにかかった費用総額はおよそ150万円。しかし、新人VTuberであるエイトの収入はまだゼロ。広告収入の許諾を得るにあたって必要なチャンネル登録者数と総再生時間が定められているため、その条件を満たすことが現在の目標らしい。井上社長は、「2カ月以内には収益化まで持っていきたい」と意気込みを語った。
また、デビュー3カ月の比良坂芽衣も、動画制作の裏側を暴露した。26歳のフリーの女性声優である中の人も登場したが、こちらは個人でVTuberデビューしたそう。キャラクター制作費は20万円で、パソコンを含めてデビューにかかった費用は総額40万とのこと。エイトと違って、360度撮影できる3Dキャラクターではなく、正面しか撮影できない2Dキャラクターのため低コストで済んだらしい。そのため個人のVTuberの大半が2Dキャラクターであるそうだ。また、動画作成の所要時間は、台本を書くのに30分、撮影10~20分、編集3~4時間。比良坂芽衣もまだ収益化はできておらず、声優の仕事も「多くて20万円」という状況だが、中の人は、「実家暮らしというのもあり、全部なくなったとしても死ぬわけじゃない」とニッコリ。「声優としての仕事が全部なくなったときに、VTuberとしてのお金がちゃんと入ってくればいい」と今後の目標を語った。
また、個人以外にオーディションでデビューするケースもあるとして、VTuberのオーディションにも潜入した。そして、最後に取材したのは、デビュー1年で、チャンネル登録者数6万7000人を誇る人気VTuberのふぇありす。中の人は男性であるにもかかわらず、男性視聴者から絶大な人気を集めている存在だ。中の人の姿は非公開ということで、バーチャル空間でインタビューに答えたが、「(収入は)1カ月に40~60~70万円。本当にバラつくけど、それくらいですかね」とのこと。動画の再生回数から得られる広告収入の他にも、視聴者からの投げ銭“スーパーチャット”、企業からの「この商品を紹介してほしい」という依頼で収入を得ており、それぞれの内訳は1対1対2とぶっちゃけた。ふぇありすは、「無限に企業案件をしたいです。馬車馬のように働くので」とアピールした。
(C)AbemaTV
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