『夜を歩く士〈ソンビ〉』や『麗〈レイ〉~花萌ゆる8人の皇子たち~』といった時代劇で、美しくしなやかな魅力を発揮してきたイ・ジュンギが、『オー・マイ・ビーナス』のシン・ミナと共演。無念の死を遂げた女性の幽霊にまつわる「アラン伝説」をモチーフに、幽霊の見える男と生前の記憶を失った幽霊との恋の行方が描かれている。
朝鮮時代中期。なぜか幽霊が見えてしまうウノ(イ・ジュンギ)は3年前に姿を消した母を探すため密陽へと向かう途中、死神から逃れてきた幽霊アラン(シン・ミナ)と出会う。彼女が母の持ち物であるはずのかんざしを持っていることに気づいたウノは、記憶を失ったアランの過去と死の謎を調べることにする。その後、地方の役人である使道となったウノは、行方不明になったままの女性がいることを突き止め、その女性の許嫁がチェ大監の息子ジュワル(ヨン・ウジン)だと知る。
思いがけず幽霊と出会ってしまった主人公が、無鉄砲でおてんばな彼女に振り回されるコミカルな雰囲気から始まるこのドラマ。『ミセンー未生—』や『ハベクの新婦』のチョン・ユンジョンが手がけた脚本は回を追うごとにシリアス度を増し、アランの死の真相やウノの母の運命が徐々に明らかになっていく。
05年の映画『王の男』で、“女性よりも美しい”と言われるほど妖艶な姿を見せてスターの仲間入りを果たして以来、安定した演技力を武器に着実にキャリアを積んできたイ・ジュンギ。除隊後、初めての作品ということで、他の作品にも増して全力投球したという『アラン使道伝』では、少年のような無邪気さと毅然とした勇気を併せ持つ主人公を凛々しく演じている。その正体を突き止め、無事、天界に返すと約束したはずのアランを、いつしか真剣に愛するようになっていく姿が切ない。さらに、彼らの前に立ちはだかる敵たちとの闘いのシーンで見せる、自らもアイディアを出しながら作り上げていったという華麗なアクションにも注目だ。
シン・ミナ扮するアランのキュートさも見逃せない。『僕の彼女は九尾狐〈クミホ〉』でも伝説の妖怪(でも、やっぱりかわいい)を演じたこともある彼女が、伝統衣装に身を包みながら、仲間たちと食料をめぐって争ったり、お酒を飲んで酔っ払ったりという、これまでの“幽霊”のイメージを打ち破るユニークなヒロインをのびのびと見せている。
そのほか、ウノと因縁のある権力者チェ大監の養子で、生前のアランの婚約者ジュワル役で『内省的なボス』のヨン・ウジン、天上界を治め、人間界にも影響与えていく玉皇上帝役で『仮面の王 イ・ソン』のユ・スンホと、タイプの違うイケメンたちが揃って登場するのも見どころとなっている。
『アラン使道伝』はAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて5月31日(金)よる7時50分より放送