13日、内閣府は3月の景気指数の基調判断を6年2か月ぶりに「悪化」に引き下げた。24日に公表された月例経済報告も、景気判断を引き下げており、茂木経済再生大臣は「中国経済の減速などから輸出の弱さが続き、製造業の生産活動も弱含んでいることから下方修正している」と説明している。
また、今月18、19日に実施したANNの世論調査では「今後、景気が悪くなる」と答えた人が6割以上に上り、10月に予定される消費税増税を「支持しない」と答えた人は5割と、「支持する」と答えた人(4割)を上回った。
また、政党支持率は自民党45.0%、公明党5.5%、日本維新の会3.9%、立憲民主党9.9%、国民民主党1.7%、共産党3.4%、社民党1.1%、希望の党0%となっている。さらに衆参ダブル選挙を「実施してもよい」が50%、「よいと思わない」が30%だったが、安倍内閣の支持は47.0%で先月よりも2ポイント上昇、不支持32.5%で、今年に入ってから支持率が上昇している。
25日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した自民党の猪口邦子参議院議員は「日本の政権の安定は世界経済にとっても東アジアにとっても宝だ。日本はTPP11を発足させたし、EUと大きなEPAの自由貿易圏を作った。大西洋社会と太平洋社会の両方で世界貿易機関が頓挫している間、自由貿易を推進している結節点に安倍総理がいる。国民もそういうことが分かっているから支持している。少子化対策などにお金がかかるので、もう少し若年所得が上がればいいと思うが、基本的には広い世界で見て日本ほど順調に発展している先進国はない。雇用もこれだけ安定してきて、失業率もこれだけ低くて、有効求人倍率もこれだけ立派な数字になっている。経済が全てうまくいくことはないかもしれないが、先進国の中でこれほど経済政策が国民を納得させている国も少ない。政党支持率、内閣支持率は経済がダメになると落ち始める。もちろん、どこかで異次元緩和を収束させていくことは議論しなくてはいけない。ヨーロッパでもアメリカでもイグジットは議論している」と訴えた。
これに対し、野党議員は一斉に反発。
まず、立憲会派の小西洋之参議院議員は「世界経済の最大の懸念の一つが、安倍政権下で膨れ上がった財政赤字と、世界の国がどこもやっていない異次元の金融緩和だ。このせいで日銀は破綻直前だし、そうなれば国民の皆さんの年金や貯金がいっぺんになくなるハイパーインフレが起きる。世界の経済の専門家が心配している」と指摘、「先進国で実質賃金が下がり続けている国は日本だけだ。アベノミクスは世界的に見ると全くうまくいっていない。賃金が下がり続けている」と反論した。
日本維新の会の石井苗子参議院議員は「GDPの計算の仕方にごまかしがあると思う。年率2.1%の成長と言っているが、中国の景気の減速があって、それを土台にしている。輸出が減ったので逆算するとあたかもGDPが上がっているように見せかけているが、国民の生活が実感として良くなってきているのか。良くなってきていると感じている人がどれくらいいるのか分からない」、国民民主党の森ゆうこ参議院議員も「作られた景気だ。株価も日銀が介入して、日本企業の最大の株主が日銀なんていう異常なことになっている。ごまかして、さもいいように見せている。現実を見ると皆さんの給料は良くなっていない。20年前の賃金と比べると、時給で先進諸国の中で唯一、日本だけがマイナス9%だ。イギリス、アメリカもみんな上がっている。だから国民の皆さんが使える可処分所得が増えていないし、個人消費はマイナスだ」。
また、猪口氏は消費増税について「財政再建は大事なので、消費税率を引き上げて、"将来世代に負担の先送りをしない"と決意してやらないといけない。そうしなければ将来世代をズタズタにすることになる。消費増税は民主党の野田政権において最初の突破口が開かれ、ずっと延期しながらここまできた。まさに決まったことなので、色々批判もあるだろうが、このタイミングで安倍さんがご自分でリスクを取る。この間の経験から、反動減がないよう、平準化するようなあらゆる経済政策を動員してここまで頑張ってきている。これで延期となるとやっぱり良くないと私は考えている」とした。
石井氏は「幼児教育の無償化は、子育て支援法が通ってしまったので据え置きしたらどうなるのか、というのはある。しかし、何かいいことをしようと思ったら、いつも税金を上げていくのか。子どもの教育を援助するから税金を上げると。うちの党はその前にやることがあるのではないか。身を切る改革があるんじゃないか。身を切ってから物を言えと言っている。もし消費増税するなら福祉に当てていかないといけないが、皆さんの感覚としては、給料は上がらないし、税金は払わないといけないし、消費税は上がるし、全然自分の身に国がいいことをしてくれない。福祉で返ってきているという実感がない。これは国の政策として、国が決めることとして、いかがなものかと」と述べた。
森氏は「なぜ消費税だけ増税しないといけないのか。安倍政権になって、アベノミクスで異次元の金融緩和をやった。2年で物価目標2%に達すると言ったが、結局は消費税増税をして、その結果消費が大幅に落ち込んで、景気に大きなマイナスの影響を与えた。個人消費でGDPの6割を持っているんだから、絶対に景気が良くなりっこない。日銀が異常な金融緩和を6年もやって、日銀からものすごい悲鳴が聞こえてくる。日銀の異常な金融緩和と、さらにマイナス金利政策で7割の地方銀行は経営が悪化しているし、赤字に転落しているところも出てきている。ここで消費増税したら、地域の経済、庶民の暮らしは大打撃だ。今回のGDPの速報値も、成長したと言っているが実際には輸入が大幅に減少した。外需がプラスということで、数字のマジックで良くなったように見せかけている」と主張。
「そもそも税金というのは払える人が払えばいい。アベノミクスで株で儲けてさらに大金持ちになった富裕層。大企業が内部留保を500兆円近く貯めている。そういうところから、しっかりと取れるところから取ればいい。消費税は上げたけれど、結局は大企業の減税に置き換わっている。なんで庶民から搾り取らないといけないのか。どうしても増税しないといけない呪縛みたいなのからちょっと離れて、冷静に考えてみるべきだ。財政赤字もここまで大きいと簡単ではないが、結局は一人ひとりの給料を伸ばして、国民の皆さんが使えるお金を増やすことが個人消費を増やし、結果的には経済を良くする。経済を良くすれば税収も良くなる」。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)