26日、新木場・スタジオコーストで開催された「PANCRASE 305」で、長く格闘技を見ている者にはたまらないベテラン対決が行われた。
近藤有己(43歳)に対するは郷野聡寛(44歳)。ともに20年以上のキャリアを持つ。PRIDE全盛期の格闘技ブーム時代、日本における総合格闘技の第一線で活躍した選手たちだ。
両者の対戦はこれが3度目。初戦は2001年12月で近藤がTKO勝利。郷野が判定勝ちした2戦目はPRIDEが舞台で2006年だった。今回は実に13年ぶりの対決だ。
ファイターとして生き残るためにも、お互いにとって重要だったこの試合。ともに打撃を得意としているだけに、3分3ラウンドすべてスタンドでの打撃戦になった。
サウスポーの構えから前進していく近藤。郷野は足を使いながらカウンターを狙っていく。その中で試合が進むにつれて勢いを増していったのが近藤だ。2ラウンドにはパンチ連打の回転を上げ、3ラウンドにはローキックで的確にダメージを与えた。判定は3-0。まぶたから鮮血が滴った近藤が勝利を手にした。
近藤は久々の試合で久々の白星。年齢を重ね、タイトルからも遠ざかっているが、格闘技への情熱は変わらない。そう遠くないうちに、またパンクラスのケージでその姿が見られるだろう。
文・橋本宗洋
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