今年5月にオープンした、新宿・歌舞伎町の寿司店「へい らっしゃい」。ド直球な店名に対し、板前のSHUNさんは現役のホストでもあるという超変化球。お店はシャンパンタワーならぬ「寿司タワー」とともに、華々しくスタートを切った。
ホストとして14年間、女性のハートを掴んできたSHUNさん。シャリとネタを握ろうと思い立ったのは、これまで幾度となく聞いてきた女性の声だった。
「『同伴』や『アフター』でも女性とお寿司に行く機会が多く、だったら僕が握ったほうがいいんじゃないか? その先に“新しい女性の遊び場”ができればより面白いのでは?と」(SHUNさん)
料理の経験すらなかったというSHUNさんだったが、親戚の店で修業を続け、その成果をここで披露している。
寿司にもホストにも全力を捧げる先輩を支えようと、後輩が仕込みを手伝うこともある。後輩ホストの瑠璃さんは「SHUNさんが『お寿司習ってる』って何言ってるんだろうと思ったが、食べてみたら本当においしくて、すごいなこの人って。(ホストのSHUNさんは)本当に貴族みたい。キング・オブ・ホスト。寿司職人のときは大将。無口になっちゃうんで。男ながらに惚れちゃいます」と話す。
業界関係者によると、歌舞伎町では30歳を超える「ベテランホスト」が飽和状態にあるという。また、「ホストはいずれ辞めるもの」という業界の固定観念も強くある。SHUNさん自身は31歳。“夜の二刀流”として成功例を築くことで、ホストが目指す将来像の新しいモデルケースを示すことにもつながりそうだ。
「ホストをやめる気は一切ない。ホストで培う能力というか神経は、他の仕事でも通用するんだということを僕は見せたいし、できると思っている。(ホストの)新しい働き方、生き方の提示になればうれしい」(SHUNさん)
さらに、「現場で疲れはない」と話すSHUNさん。要望に応じてサビを抜くことはあっても、決して手は抜かないのがSHUNさん流だ。
「(寿司職人とホストの)力の入れ具合でいうと、100%と100%。(夜の食事のお供は)日本酒だ、ハイボールだといった流れがあるが、オレンジジュース、コーラ、ミルクティーで何が悪いんだという、女性に寄り添えるお寿司屋にしていきたい」(SHUNさん)
新たなホスト像を模索する“ネオ・ホスト”とも言うべき姿は、歓楽街に新たな風を吹き込みそうだ。
(AbemaTV/『AbemaMorning』より)