羽生善治九段、歴代単独1位の通算1434勝 約33年半で「最後の大記録」を更新
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 将棋羽生善治九段(48)が6月4日、王位戦挑戦者決定リーグ・白組のプレーオフで永瀬拓矢叡王(26)に133手で勝利し、歴代単独1位となる通算1434勝目を挙げた。タイトル通算99期、一般棋戦優勝45回、史上初の七冠独占など、数々の偉業を成し遂げてきた第一人者が「最後の大記録」とも呼ばれた金字塔を打ち立てた。

 羽生九段は先月23日に、谷川浩司九段(57)との対戦で勝利し、故・大山康晴十五世名人と並ぶ、歴代1位タイの1433勝を達成。記録更新がかかった30日の対局では敗れていたが、この日の対局では過去3勝7敗と苦戦していた若手実力者・永瀬叡王を積極的に攻め、快勝を収めた。対局後は「攻めを呼び込む形になってしまって非常に怖かったですね。(最多勝は)今年に入ってからは、1つの大きな目標にしていましたし、この前の対局は残念ながら負けてしまったので、今日達成できて非常にうれしいですね」と語った。

 この日を含めた通算成績は、1434勝591敗2持将棋(引き分け)、勝率は.708。長くトップ棋士たちとの対局を重ねる中で、勝率7割超えをキープする驚異的なスピードでの達成となった。プロデビューから約33年半、48歳8カ月での達成は、69歳3カ月で1433勝を達成した故・大山十五世名人より20歳以上若い。

 羽生九段は1985年12月、史上3人目の中学生プロ棋士としてデビューを果たすと、19歳で初タイトルとなる竜王位を獲得。1996年には当時7つだったタイトルを全て保持する七冠独占を初めて達成した。2017年に、7つのタイトルで永世称号の資格を得る永世七冠も達成。翌年には将棋界初の国民栄誉賞も贈られた。

 将棋界にある最多記録のほとんどを塗り替えてきた羽生九段だが、昨年末に目前で逃したタイトル通算100期への挑戦、さらには「本質的には分かっていない」とさえ語ったことがある将棋の世界を探求するために、まだまだ盤へと向かっていく。

 ◆羽生善治(はぶ・よしはる)1970年9月27日、埼玉県所沢市出身。1982年に奨励会入りし、1985年に四段に昇段。加藤一二三、谷川浩司に次ぐ史上3人目の中学生プロ棋士に。1989年に初タイトルを獲得し、1996年に史上初の「七冠独占」達成、2017年には7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」に。師匠は二上達也九段。

(C)AbemaTV

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