「RTD」は今期から赤牌あり(各種1枚)で全自動卓を使用する「Mリーグ」ルールに準ずると変更された。「ルール的にも違和感もないし、やりやすい」とは、KONAMI麻雀格闘倶楽部のエースとして「Mリーグ」ファイナルステージ進出に貢献した佐々木寿人(連盟)だ。
昨年までの長期リーグ戦からトーナメントになったことに関しては「早めに勝負どころでぶつけていく」と早期決着を目指し「常に労力を少なく勝ち上がりたいので、1位勝ち抜けをギリギリまで狙いますよ」とまずはグループCの4回戦に臨む。
電車の待ち時間すら嫌うほど、無駄が嫌いな佐々木らしい発想だが、3位までは勝ち上がれるトーナメント形式であるため、首位通過が難しいと判断した時にどう打つのかは気になるところ。「実際、2位通過でもけっこうやりやすい戦いにはなるんですけど、3位通過での勝ち抜けはかなりきつい。次も険しい道のりが待っている」とあくまでもシンプルに1位勝ち抜けを狙う。
グループCの対戦相手は、Mリーグでも凌ぎを削った鈴木たろう(協会)と松本吉弘(協会)、そして日本プロ麻雀連盟の先輩でもあり、高校の先輩でもあるRTD初参戦の藤崎智(連盟)だ。「普段はただのうるさいオヤジですけど、麻雀はご存知の通り、忍者と言われるくらい上手い」と藤崎をはじめ、3選手の実力を認めながらも苦手意識は無い。
佐々木の最大の武器は、淀みない打牌だ。対局番組を楽しみにしている麻雀ファンが増えてきたことを受け「とにかくテンポとスピードを見て欲しいですね。あとは行き方というか攻め方。いらない牌をバンバン切る麻雀をお見せ出来れば」と即答。「行き方といっても生き方ではありませんが、生き様を麻雀でお見せできたらいいですね」と安全牌のごとく危険牌をも切る覚悟だ。
「RTDトーナメント2019」に向けても「直前に何か特別なことを始めたからといって、勝ち上がれるものでもない」と普段通り、稽古を積んできた。
佐々木が積み重ねている稽古とは、頭で考えながら打ち込むのではなく、体に打ち筋を染み込ませるような本能的な打牌を繰り返すことを意味する。
不調と感じれば、ボクシングの試合を見に行き「ダウンをとった後の詰め方は麻雀にも活用出来る」と間の取り方を学ぶ。対局中に流れが悪いと感じれば、競輪選手と語り合ったツキの操り方を実践しながら打ち抜いていく。このように、常に本能で打ち抜くために、感性を研ぎ澄ます努力は惜しまない。
RTDリーグでは2016、2017と2年連続で決勝進出。2018は準決勝に進出したものの優勝はまだない。「優勝以外は意味がないんですけど、ひとつひとつ勝たなきゃですね」。
猛将・佐々木は本能の命ずるまま、目の前にいる敵を倒し、優勝への最短ルートを駆け上がり、悲願の初Vをつかみとる。【福山純生(雀聖アワー)】
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDトーナメント2019 2016年から3年に渡り行われてきた「RTDリーグ」から、トーナメント方式に変更。昨年行われた「RTDリーグ2018」の予選リーグ(WHITE・BLACK)の上位各6人、推薦枠として2人の計14人に加え、予選リーグ7位の2人と新規参戦2人の4人による入れ替え戦(サバイバルマッチ)から上位2人が本戦に進み、計16人で行われる。16人はA~Dの4グループに分かれ、半荘4回戦で対戦。トータル2位が準々決勝A(上位3人が準決勝進出)、同3位が準々決勝B(上位1人が準決勝進出)へ、同1位は準決勝(上位4人が決勝進出)に進む。主なルールは一発・裏ドラ・赤(各種1枚)あり、全自動卓による自動配牌のMリーグルール。
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